中国の婚姻登記「全国通弁」が定着 日本人との結婚でも戸籍地縛りが緩和
中国では2025年5月10日施行の新「婚姻登記条例」により婚姻登記の戸籍地管轄が見直され、全国通弁が本格化した。日本人と中国人が中国で結婚する場合も、新条例に基づく涉外婚姻の窓口と必要書類の事前確認が重要になる。
この記事のポイント
- 中国の改正婚姻登記条例は2025年5月10日施行で、全国通弁が制度化された
- 日本人との涉外婚姻は省級民政部門等が指定する婚姻登記機関で行う
- 中国で婚姻成立後、日本側では原則3か月以内に婚姻届を行う
中国の婚姻登記制度は2025年5月から大きく変更
中国で2025年5月10日に施行された改正「婚姻登記条例」は、婚姻登記の戸籍地管轄を見直し、内地居民の結婚・離婚・婚姻証再発行について全国通弁を制度化した。2026年9月現在もこの新条例が現行制度の基本となっている。日本人と中国人の国際結婚でも、中国側配偶者の戸籍所在地だけを前提に手続きを考えるのではなく、実際に涉外婚姻登記を扱う婚姻登記機関を確認することが重要になった。
涉外婚姻は一般の内地居民同士と窓口が異なる
新条例第2条は、中国公民と外国人、内地居民と香港・マカオ・台湾居民、華僑との婚姻登記について、省・自治区・直轄市人民政府の民政部門または同部門が指定する機関が取り扱うと定めている。このため「全国通弁になったので、どこの婚姻登記所でも日本人との婚姻を扱う」と理解するのは正確ではない。涉外婚姻を扱う指定窓口かどうかを事前に確認する必要がある。
中国側は戸口簿提出が原則不要に
制度改正の大きな変更点は、内地居民側について従来求められていた戸口簿が婚姻登記の法定提出書類から外れたことだ。現行条例では、内地居民は居民身分証と、無配偶であり相手と直系血族・三代以内の傍系血族ではない旨の署名声明を提出する。
日本人側には無配偶証明などが必要
外国人については、有効な旅券その他の国際旅行証件、または外国人永久居留身分証など中国政府主管機関発行の身分証明と、原則として本国の権限ある機関等が発行する無配偶証明が必要になる。証明方法には中国の在外公館や外国の在中国公館が関係する場合があり、中国が締結・参加する国際条約に別の証明方式がある場合はその規定が適用される。日本で作成した文書については、実際に登記する中国側婚姻登記機関へ、必要な認証・翻訳方法を事前確認した方が安全だ。
日本側の婚姻届も忘れない
中国方式で婚姻が成立した日本人は、日本の戸籍へ婚姻事実を記載するため、日本の在外公館または日本国内の市区町村へ婚姻届を行う必要がある。外務省は外国方式で成立した婚姻について、婚姻成立日から3か月以内の届出を案内している。婚姻証明書原本と日本語訳、外国人配偶者の国籍を証する書面などが基本資料となる。
国際結婚では「中国で成立」と「日本の戸籍記載」を分けて管理
中国側で結婚証を取得したことと、日本の戸籍へ婚姻が記載されたことは別の行政手続である。その後、日本で「日本人の配偶者等」の在留資格を申請する場合には、日本側戸籍や中国側婚姻関係資料が重要になる。具体的な提出書類は婚姻地や申請状況によって異なるため、中国の婚姻登記機関、日本の市区町村・在外公館、必要に応じて行政書士等の専門家へ最終確認することが重要である。