国際結婚で海外出産した子どもの日本国籍|出生届と3か月以内の国籍留保
日本人と外国人の子が海外で生まれた場合の日本国籍を解説。出生による国籍取得、外国籍も取得した場合の国籍留保、出生から3か月以内という重要期限を整理する。
この記事のポイント
- 出生時に父または母が日本人なら原則として子は日本国籍を取得する
- 海外出生で同時に外国籍も取得した子は出生から3か月以内の国籍留保が重要
- 出生届と国籍留保を後回しにすると日本国籍を出生時にさかのぼって失う場合がある
結論・今回のポイント
国際結婚した夫婦の子が海外で生まれ、出生時に父または母が日本国民であれば、原則として国籍法2条により出生によって日本国籍を取得します。しかし、海外で出生し、その国の制度や外国人親の国籍法によって同時に外国国籍も取得する場合には非常に重要な期限があります。出生の日から3か月以内に出生届とともに日本国籍を留保する意思を届け出なければ、国籍法12条により出生時にさかのぼって日本国籍を失う場合があります。
背景と制度
子どもの国籍は「親が日本人だから必ず何もしなくても日本国籍が残る」と考えると危険です。日本の国籍法は血統を基本としていますが、海外出生で出生と同時に外国籍も取得する子について国籍留保制度を設けています。外国籍を取得するかは出生地の法律、外国人親の国籍法などによって異なるため、子どもが出生時にどの国籍を取得するかを両方の国の制度から確認する必要があります。
誰に関係するか
中国、台湾、香港、シンガポールをはじめ海外で出産する日本人と外国人の夫婦、海外駐在中の日本人家庭、子どもが複数国籍となる可能性がある家庭に関係します。日本人同士の夫婦でも海外出生によって外国籍を取得する制度の国で出生した場合は同じ注意が必要です。
必要書類・申請先・期限
法務省の国籍Q&Aでは、外国で生まれた子が出生によって日本国籍と外国国籍を同時に取得した場合、父母その他の法定代理人が出生の日から3か月以内に、出生届とともに「日本国籍を留保する」旨を届け出る必要があると案内しています。届出先は外国にある日本大使館・総領事館または日本国内の市区町村役場です。出生届の国籍留保欄に必要事項を記載する形で意思表示を行います。
在香港日本国総領事館も、香港・マカオで生まれた子について出生日から3か月以内の出生届を案内し、子が日本以外の外国籍を有する場合には期限内に国籍留保を行わなければ出生時にさかのぼり日本国籍を失うと注意喚起しています。現地の出生登録証明とその日本語訳など、在外公館ごとに必要書類が示されているため、出産予定国の日本公館ページを妊娠中から確認しておくことが安全です。
日本人と外国人の国際結婚への影響
出生届は単なる出生の行政登録だけではなく、海外出生の国際結婚家庭では国籍維持に直接関係する重要手続です。子どもの日本旅券取得にも日本の戸籍への記載が必要となるため、出生直後の忙しい時期であっても後回しにすべきではありません。また、日本国籍を留保した子が複数国籍を保持する場合には、その後の国籍選択制度等について年齢に応じて確認する必要があります。
注意点と最終確認先
3か月という期限は「出生届を準備し始める期限」ではなく、原則として届出を完了させるために意識すべき法定期間です。特に現地出生証明の発行に時間がかかる国では早めの準備が重要です。国籍留保をしなかった場合でも一定条件の下で国籍再取得制度がありますが、18歳未満で日本に住所を有することなどの要件があり、最初から期限内に手続する方がはるかに確実です。出産予定地を管轄する日本大使館・総領事館と法務局の最新案内を確認してください。