結論・今回のポイント
日本人が中国、台湾、香港、シンガポールで結婚する場合、必要書類だけでなく「どこへ申請するか」「事前滞在が必要か」「婚姻予定通知が必要か」といった制度構造そのものが異なります。国際結婚では、他国で成功した手続を別の国へそのまま当てはめないことが重要です。
中国
中国では2025年5月10日に改正「婚姻登記条例」が施行されています。中国公民と外国人が中国内地で結婚する場合、双方が指定された婚姻登記機関へ本人出頭し共同で結婚登記を申請します。外国人側は有効な旅券等と、原則として無配偶であることを証明する書類を提出します。新条例は、中国政府が締結・参加する国際条約に別の証明手続がある場合はその規定によることも明記しています。古い中国婚姻手続情報では戸籍所在地を前提とした説明が残っているため、2026年現在は現行条例と実際に申請する民政部門の案内を優先してください。
台湾
台湾では結婚登記制度が採用され、台湾政府の案内では双方当事者が戸政事務所で登記する方式が基本です。台湾籍当事者と外国人が台湾で結婚する場合、結婚書約、身分証明書、外国人配偶者の婚姻状況証明書、中国語訳、外国人配偶者の中文姓名声明書等が必要になる場合があります。外国文書について駐外館処の検証等を求められる制度があるため、日本で取得した書類をそのまま持参すれば足りるとは限りません。
香港
香港は国籍や香港居住歴にかかわらず婚姻でき、居住要件はありません。ただし婚姻予定通知を事前提出し、通知が少なくとも15日間掲示された後にRegistrar of Marriagesの証明書が発行され、その後婚姻を挙行する仕組みです。婚姻は通知提出から3か月以内に行う必要があり、期限を過ぎると通知は無効になります。
シンガポール
シンガポールの民事婚では、外国人が関係する場合に31日間の継続滞在条件が重要です。公式案内では、少なくとも一方が婚姻申請前にシンガポールへ31日間継続して滞在していることが求められる場合があります。また婚姻申請から最短でも21日後にsolemnisationを行う仕組みです。双方が短期訪問者である場合には、本国大使館や政府機関が発行する婚姻障害不存在証明等の追加資料が案内されています。
日本への婚姻届
現地方式で法律上有効に婚姻が成立しても、日本人側の戸籍へ反映する手続は別です。外国の方式で日本人と外国人が婚姻した場合、日本人は原則として婚姻成立から3か月以内に日本の在外公館または市区町村へ婚姻届を行います。
注意点と最終確認先
4地域では制度が頻繁に更新されるため、航空券や式場を予約する前に必ず現地の婚姻登記当局へ確認してください。中国は民政部門、台湾は戸政事務所、香港はImmigration DepartmentのMarriage Registry、シンガポールはRegistry of Marriagesが主要確認先です。日本側については現地日本大使館・総領事館等と本籍地市区町村へ確認します。