結論・今回のポイント
日本人と外国人の国際結婚家庭で海外出産を予定している場合、最重要事項の一つが出生届と日本国籍留保です。父または母が日本人である子は一定の条件の下で出生により日本国籍を取得しますが、外国で出生し、出生と同時に外国国籍も取得する場合、期限内に日本国籍を留保する届出をしなければ日本国籍を出生時にさかのぼって失う場合があります。
背景と制度
法務省の国際結婚・海外出生に関する戸籍Q&Aでは、日本人と外国人の夫婦の子どもが外国で生まれ、父または母のどちらかが日本人である場合、子は原則として日本国籍を取得すると説明しています。一方、外国人親の国籍法や出生国の制度によって出生時に外国国籍も取得すると、重国籍になります。この場合に日本国籍を維持するため重要なのが「国籍留保」です。
誰に関係するか
日本人と外国人の夫婦が海外で出産するケース、日本人夫婦が米国など出生地によって国籍を付与する国で出産するケース、外国人配偶者の国籍を子どもも出生時に取得するケースに関係します。どの国籍を取得するかは外国人親の本国法と出生国法によって異なるため、「国際結婚なら必ず二重国籍になる」と一般化してはいけません。
期限・必要書類・申請先の実務
国外で出生した場合、日本の出生届は出生の日から3か月以内です。外務省は、生まれた日を含めて3か月以内と案内しています。出生により外国国籍も取得している場合、出生届と同時に日本国籍を留保する意思表示を行う必要があります。出生届書の所定欄に国籍を留保する旨を記載して行う方式が案内されています。
届出先は現地の日本大使館・総領事館または日本国内の本籍地等の市区町村です。通常、現地官公署が発行する出生証明書、その日本語訳等が必要になります。国や在外公館によって提出部数、証明書名称、郵送可否などが異なるため、出産前から確認しておくのが安全です。
日本人と外国人の国際結婚への影響
子どもの国籍は将来の旅券、居住、教育、相続、兵役義務など多くの問題に関係します。また重国籍になった場合には、日本法上の国籍選択制度について将来確認する必要があります。外国国籍の取得条件や離脱制度も各国で異なるため、日本側だけで判断することはできません。
注意点と最終確認先
特に危険なのは「出生証明書を取ったから日本への届出は後でよい」と考えて3か月を過ぎることです。国籍留保が必要なケースでは重大な結果につながり得ます。海外出産を予定している夫婦は、出産予定国の日本大使館・総領事館、日本の本籍地市区町村、外国人配偶者の本国当局の三方向で出生・国籍手続を確認してください。