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2026年10月「106万円の壁」撤廃へ、日本人と結婚した外国人配偶者の働き方はどう変わる?

2026年10月から短時間労働者の社会保険加入で使われてきた月額8.8万円以上、いわゆる「106万円の壁」の賃金要件が撤廃予定です。中国・台湾など出身の配偶者が日本でパート勤務を始める場合、勤務時間と勤務先規模を中心に社会保険加入を確認する必要があります。

2026年10月、「106万円の壁」が変わる

日本人男性と結婚して日本で新生活を始める中国・台湾・香港など出身の女性にとって、結婚後の仕事と社会保険は重要な生活設計の一つです。厚生労働省と日本年金機構の最新案内によると、短時間労働者が健康保険・厚生年金保険へ加入する際に設けられている「所定内賃金が月額8.8万円以上」という賃金要件は、2026年10月に撤廃される予定です。年収換算で約106万円だったことから、一般に「106万円の壁」と呼ばれてきた基準です。

現在はどのようなルールなのか

2026年8月現在、厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業などで働く短時間労働者については、原則として週の所定労働時間が20時間以上、学生ではないこと、所定内賃金が月額8.8万円以上であることなどを満たすと、健康保険・厚生年金保険の加入対象になります。ただし日本年金機構は、全国の最低賃金水準との関係から、最低賃金以上で週20時間以上働けば現在でも月額8.8万円以上になるため、この賃金要件を2026年10月に撤廃予定と案内しています。

外国人配偶者にも同じ社会保険ルールが関係する

社会保険の加入条件は、原則として日本人か外国人かだけで分けられる制度ではありません。日本で適法に働き、対象となる事業所・労働条件に該当すれば、外国人配偶者も健康保険・厚生年金保険の加入対象となります。日本人男性と結婚した中国人女性などが、日本でパートやアルバイトを始める場合にも関係する制度です。

特に在留資格「日本人の配偶者等」を持つ人について、出入国在留管理庁は入管法上、就労する職種に制限がないと案内しています。技術・人文知識・国際業務などの就労資格とは異なり、一般的な事務、販売、飲食、サービス業などを含め、在留資格上の職種制限を受けずに働くことができます。ただし、就労と社会保険加入は別の制度ですので、勤務条件に応じて会社側で社会保険の加入判定が行われます。

2026年10月以降は「収入額」より週20時間が重要に

今回の変更後は、現在の月額8.8万円という賃金基準がなくなるため、短時間労働者について「年収106万円を超えないように働く」という考え方は社会保険加入の判断では意味が薄くなります。厚生労働省は、配偶者の扶養の範囲内で働く人についても、雇用契約などにおける週の所定労働時間が20時間以上であれば、対象となる企業では健康保険・厚生年金保険に加入することになると説明しています。

一方、2026年10月にすべての会社で一斉に「週20時間以上なら加入」となるわけではありません。企業規模要件は段階的に縮小される予定で、現在は原則51人以上の企業が対象です。2027年10月から36人以上、2029年10月から21人以上、2032年10月から11人以上へ広がり、2035年10月には企業規模要件が撤廃される予定です。

「130万円の壁」が同時になくなるわけではない

注意したいのは、「106万円の壁」と「130万円の壁」は同じ制度ではないことです。厚生労働省は、会社員などの配偶者として健康保険の被扶養者・国民年金第3号被保険者になっている人について、勤務先の社会保険加入対象とならない場合でも、一定以上の収入になると扶養から外れる可能性があると案内しています。2026年10月に撤廃予定なのは短時間労働者の月額8.8万円という賃金要件であり、扶養制度全体がなくなるわけではありません。

社会保険に加入すると何が変わる?

配偶者の扶養から外れて自分の勤務先の健康保険・厚生年金保険へ加入すると、給与から本人負担分の社会保険料が差し引かれるため、短期的には手取り額が減る場合があります。一方、厚生年金へ加入することで将来受け取る年金額が増えるほか、健康保険では病気やけがで仕事を休んだ場合の傷病手当金、出産時の出産手当金など、被扶養者にはない給付を受けられる場合があります。

国際結婚後の仕事探しで確認したいこと

外国人配偶者が日本で働き始める場合には、給与額だけを見るのではなく、週の契約労働時間、勤務先の従業員規模、雇用期間、社会保険加入の有無を採用時に確認することが重要です。また、「日本人の配偶者等」以外の在留資格で日本に滞在している場合には、働ける職種や時間に別の制限がある可能性があります。必ず在留カードに記載された在留資格・就労制限を確認してください。

結婚後の家計にも影響する

日本人男性と外国人女性が結婚して日本で暮らす場合、配偶者が働くかどうかは世帯収入だけでなく、健康保険、年金、税金、出産・育児の給付にも関係します。これまで「扶養の範囲で働くために年収を抑える」という選択をしていた家庭でも、制度変更後は週20時間という労働時間を意識した働き方の検討がより重要になります。

紅い靴からのポイント

国際結婚では、婚姻届や配偶者ビザを取得したところで手続きが終わるわけではありません。日本で新生活を始めれば、仕事、健康保険、年金、税金、住居など日常生活の制度が関係してきます。2026年10月には「106万円の壁」と呼ばれる賃金要件が撤廃予定で、外国人配偶者がパート・アルバイトとして働く家庭にも影響があります。特に「日本人の配偶者等」は職種に関する就労制限がないため、働き方の選択肢は広い一方、社会保険については勤務時間や勤務先規模を確認する必要があります。実際の加入判定は勤務先や個人の勤務条件によって異なるため、日本年金機構、年金事務所、勤務先の人事・労務担当者などへ確認してください。在留資格について不明点がある場合は出入国在留管理庁へ確認し、税務や社会保険を含む複雑な個別案件では税理士、社会保険労務士、行政書士などの専門家への相談も検討してください。

重要ポイント

  • 短時間労働者の社会保険加入に使われてきた月額8.8万円以上、いわゆる「106万円の壁」の賃金要件は2026年10月に撤廃予定
  • 在留資格「日本人の配偶者等」は入管法上の就労職種に制限がないが、健康保険・厚生年金への加入は勤務時間や勤務先規模などで別途判断される
  • 2026年10月に「130万円の壁」や企業規模要件まで一斉になくなるわけではなく、勤務条件と扶養の扱いを個別に確認する必要がある

出典

  • 厚生労働省 年金・社会保険の加入対象の拡大について
  • 厚生労働省 「年収の壁」への対応
  • 厚生労働省 年金制度改正法が成立しました
  • 日本年金機構 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
  • 日本年金機構 配偶者の扶養の範囲内でお勤めのみなさまへ
  • 出入国在留管理庁 在留資格「日本人の配偶者等」
  • 出入国在留管理庁 就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項