中国在住の日中国際結婚夫婦に重要なビザ運用変更
在上海日本国総領事館は2026年6月23日、中国に居住する日本人の外国籍配偶者が日本へ短期訪問する際の査証について、申請対象となる日本人側の「中国国内に1年以上居住していること」という従来の条件が廃止されたと案内しました。現在は、中国国内で6か月以上の滞在資格・居留許可を持つ日本人と法律上の婚姻関係にある外国籍配偶者が対象とされています。中国人配偶者だけでなく、その他の外国籍配偶者も対象です。
何が変わったのか
これまで中国で生活を始めたばかりの日中国際結婚夫婦の場合、日本人配偶者の中国居住期間が1年に満たないことが、この特別な短期訪日査証の利用上の制約になる場合がありました。2026年6月の案内では、この「中国国内居住1年以上」という条件が明確に廃止されています。そのため、中国で結婚して新生活を始めた夫婦や、日本人男性が仕事などで中国へ移住した後に結婚したケースでも、以前より早い段階から外国籍配偶者向けの短期訪日査証を検討できるようになりました。
日本人配偶者が一緒に日本へ行く必要はない
今回の案内では、この査証を利用して日本を訪問する際、日本人配偶者が同行する必要はないことも明記されています。たとえば中国人の妻が単独で日本に住む夫の両親を訪問したり、家族行事などのために訪日したりする場合にも利用できる可能性があります。ただし、査証が発給されたこと自体が日本への入国を保証するものではなく、最終的な入国許可は入国時の審査によります。
1回限りと数次ビザでは条件が異なる
短期訪日査証には1回限りの査証と数次査証があります。在上海日本国総領事館の案内では、数次査証を申請する場合、過去に1回以上の訪日歴が確認できることに加え、婚姻後1年以上経過した日本人配偶者と現在同居していることが条件とされています。したがって、今回廃止されたのは日本人側の「中国居住1年以上」という条件であり、数次査証についての「婚姻後1年以上」などの条件までなくなったわけではありません。
申請時に準備する主な書類
上海総領事館の2026年6月時点の案内では、申請者側は査証申請書、写真、旅券、戸口簿の写しなどを準備します。戸籍所在地が同総領事館の管轄外である場合などには、暫住証または居住証が必要になるケースがあります。また滞在予定表を提出し、数次査証の場合は申請理由書も必要です。
日本人配偶者または家庭の主な生計維持者側については、婚姻の事実が記載された戸籍謄本、日本旅券の写し、中国の居留証の写し、在職証明、所得を確認できる書類などが案内されています。書類については原則として発行後3か月以内などの条件が設定されているものがあるため、古い書類をそのまま使用しないよう注意が必要です。
中国人は日本への短期訪問でも原則ビザが必要
中国本土の一般旅券を持つ中国人については、香港、マカオ、台湾とは取り扱いが異なり、短期間の訪日であっても原則として事前の査証取得が必要です。在広州日本国総領事館も、中国人が日本を訪れる場合は滞在期間の長短にかかわらず原則として査証が必要であると案内しています。このため、日本人と結婚したという事実だけで中国人配偶者が自由に日本へ短期入国できるわけではありません。
「短期訪問」と日本での「生活」は別の手続き
今回の制度は、あくまで親族訪問などを目的とする短期滞在の査証に関するものです。中国人配偶者が日本へ移住し、日本人の夫または妻と継続的に日本で生活する場合には、一般に在留資格「日本人の配偶者等」の手続きを検討することになります。出入国在留管理庁は「日本人の配偶者等」について、在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請などの手続きを別途設けています。
2026年7月から中国での査証手数料も変更
在中国日本国大使館は、2026年7月1日以降に提出される査証申請について査証手数料等を変更しています。申請する地域、査証の種類、申請方法などによって確認すべき費用が異なるため、実際に申請する大使館・総領事館や指定代理申請機関の最新料金を確認してください。
国際結婚を考える人への実務ポイント
中国で生活する日本人男性と中国人女性の夫婦にとって、今回の変更は、日本人側が中国へ移住してから1年経過するまで待たなくても、一定の条件を満たせば配偶者向け短期査証を検討できるようになった点が大きなポイントです。一方、中国は地域によって担当する日本大使館・総領事館が異なり、指定された代理申請機関を通じて申請するケースがあります。上海の案内を中国全土のすべての申請へそのまま適用できるとは限らないため、居住地を管轄する在中国日本公館の最新情報を必ず確認してください。
紅い靴からのポイント
国際結婚では、「結婚できたからいつでも日本へ行ける」と考えないことが大切です。婚姻の成立、短期訪日の査証、日本へ移住する際の在留資格は、それぞれ別の制度です。今回の変更により、中国在住の日中夫婦が結婚後比較的早い時期に一緒に日本の家族を訪問する選択肢は広がりました。ただし、婚姻期間、訪日歴、同居状況、居留証、所得関係書類などによって申請内容は変わります。個別案件の最終判断については、居住地域を管轄する日本大使館・総領事館、指定代理申請機関、出入国在留管理庁などの公的機関へ確認してください。
重要ポイント
- 2026年6月23日の在上海日本国総領事館の案内で、日本人配偶者の「中国国内居住1年以上」という短期訪日査証の条件が廃止された
- 現在は中国で6か月以上の滞在資格・居留許可を持つ日本人と法律上婚姻している外国籍配偶者が対象となり得る
- 短期訪日査証と、日本へ移住して生活するための在留資格「日本人の配偶者等」は別の制度なので、それぞれ手続きを確認する必要がある
出典
- 在上海日本国総領事館 日本人の外国籍配偶者等短期査証(一次・数次)
- 在広州日本国総領事館 赴日査証案内
- 在中国日本国大使館 査証手数料等の変更について
- 外務省 特定査証・日本人の配偶者等
- 出入国在留管理庁 在留資格「日本人の配偶者等」
- 出入国在留管理庁 在留資格認定証明書交付申請