中国の婚姻登記「全国通辦」で日中国際結婚はどう変わった?日本人と中国人の結婚手続きを最新制度から解説
中国の婚姻登記制度が大きく変わった
中国では、改正された「婚姻登記条例」が2025年5月10日に施行され、婚姻登記の「全国通辦」が実施されています。中国民政部系の2026年の政策説明でも制度運用が改めて案内されており、中国本土居民同士だけでなく、中国本土居民と外国人、香港・マカオ・台湾居民、華僑との婚姻登記についても全国通辦の対象となることが確認されています。
日本人と中国人の国際結婚で特に重要なのは、中国本土側の当事者の戸籍所在地だけに縛られず、外国人との婚姻登記を取り扱う権限を持つ婚姻登記機関で手続きを行えるようになった点です。従来よりも、居住地や仕事の所在地などを考慮して婚姻登記場所を選びやすくなりました。
中国人側は戸口簿の提出が原則不要に
改正条例では、中国本土居民が結婚登記を申請する場合、本人の居民身分証と、本人に配偶者がいないこと、相手と直系血族または三代以内の傍系血族ではないことについての署名声明を提出する仕組みとなっています。従来大きな役割を持っていた戸口簿については、婚姻登記時の提出が原則不要となりました。
一方で、手続きが簡素化されたからといって婚姻状況の確認がなくなったわけではありません。婚姻登記機関は本人確認や婚姻状況について情報システムを利用した照合を行います。申告内容と登録情報が一致しない場合、離婚証明、裁判所の文書、死亡証明など追加資料を求められる場合があります。
日本人が中国で中国人と結婚する場合
改正条例によると、外国人が中国本土で結婚登記を申請する場合、有効なパスポートその他の国際旅行証明書などに加え、原則として本人に配偶者がいないことを証明する書類が必要です。証明書については、発行国の公証機関・権限ある機関や中国の在外公館、または当該国の在中国公館が関係する手続きが定められています。国際条約が適用される場合には、その条約に従った証明方法となります。
つまり、日本人男性と中国人女性が中国で婚姻登記するケースでは、「全国通辦になったのでパスポートだけで結婚できる」という意味ではありません。外国人側には依然として身分証明や独身であることを確認する資料が重要です。実際の必要書類、翻訳、公証・認証等の扱いは登記機関によって事前確認することが安全です。
日本側への婚姻届も忘れない
中国の方式で婚姻が成立した場合でも、日本人については日本の戸籍への反映手続きが重要です。日本の自治体は、外国の方式で婚姻した場合の報告的婚姻届について案内しており、例えば新宿区では婚姻成立から3か月以内の届出を案内しています。外国人との婚姻では国ごとに必要書類が異なるため、提出予定の市区町村に事前確認することが推奨されます。
さらに、中国で婚姻が成立したことと、日本で一緒に生活できる在留資格を取得できることは別の手続きです。中国人配偶者が日本で中長期的に生活する場合には、「日本人の配偶者等」など該当する在留資格について別途確認する必要があります。婚姻成立だけで日本への居住資格が自動的に付与されるわけではありません。
国際結婚を検討する人が確認すべきこと
まず、中国で婚姻登記するのか、日本で先に婚姻届を提出するのかを決め、その順序に応じて必要書類を確認することが重要です。次に、中国で手続きを行う場合は、利用予定の婚姻登記機関が外国人との婚姻登記を扱う権限を持っているか確認してください。また、再婚の場合や過去の婚姻記録と現在の登録情報が異なる場合には、離婚や死別を証明する追加資料が必要になる可能性があります。
日本側でも、中国発行の婚姻関係書類、日本語訳、戸籍関係書類などについて提出先自治体へ事前確認しておくと、手続きのやり直しを防ぎやすくなります。必要書類の有効期限や公証・認証方法も変更される場合があるため、古いインターネット記事だけを基準に判断しないことが大切です。
紅い靴からのポイント
今回の制度改正で、中国人と外国人との婚姻登記は以前より場所の制約が少なくなり、日中国際結婚を考えるカップルにとって利便性は高まりました。一方、外国人側の独身証明などの確認、日本側の戸籍への届出、結婚後の日本での在留資格申請は、それぞれ別に考える必要があります。
紅い靴結婚紹介倶楽部では、交際から結婚、新生活へ進む際には「どこで先に結婚するか」「双方でどの書類が必要か」「結婚後どの国で生活するか」を早い段階で整理することが重要だと考えています。実際の婚姻登記や在留資格については、国籍、居住地、過去の婚姻歴などによって必要書類が変わるため、最終的には中国の婚姻登記機関、日本の市区町村、出入国在留管理当局、必要に応じて行政書士・弁護士などの専門家へ確認してください。
重要ポイント
- 中国では2025年5月10日から婚姻登記の「全国通辦」が実施され、中国本土居民と外国人との婚姻も対象となっている
- 中国本土居民は婚姻登記時に戸口簿の提出が原則不要となったが、日本人など外国人側にはパスポートや無配偶を証明する書類などが必要
- 中国で婚姻が成立しても、日本側の戸籍への届出や中国人配偶者の日本での在留資格手続きは別途確認する必要がある
出典
- 中国政府・婚姻登記条例(中華人民共和国国務院令第804号)
- 中国民政部社会事務司・婚姻登記「全国通辦」政策問答
- 深圳市龍華区政府・婚姻登記「全国通辦」政策問答(2026年4月9日掲載)
- 新宿区・婚姻届
香港人との結婚後、日本人配偶者は香港で働ける?2026年最新「扶養家族ビザ」の条件を確認
香港人と結婚した日本人が香港で暮らすには
日本人男性と香港人女性が結婚し、香港を夫婦の生活拠点にする場合、結婚しただけで日本人配偶者に香港での長期居住権が自動的に与えられるわけではありません。香港入境事務處は2026年4月16日に扶養家族としての居留制度「Residence as Dependants」の案内を更新しており、香港永久居民など一定の資格を持つ人の配偶者は、所定の条件を満たしたうえでビザ・入境許可を申請する仕組みとなっています。
香港永久居民の配偶者は申請対象になり得る
香港入境事務處によると、スポンサーが香港永久居民、または在留期限の制限を受けない香港居民である場合、その法律上の配偶者は扶養家族として香港居留を申請できます。また、香港で就労する専門人材や一部の人材受入れ制度などで在留する人の配偶者についても、制度ごとの条件に従って扶養家族として申請できる場合があります。
一方、婚約者や単なる同居パートナーは、通常の法律上の配偶者と同じ扱いにはなりません。日本人男性と香港人女性が将来香港で生活する予定であれば、婚姻成立前と成立後では利用できる制度が異なることを理解しておく必要があります。
結婚証明書だけではなく「真正な関係」も確認される
扶養家族の申請では、申請者とスポンサーとの真正な関係を示す合理的な証明が必要とされています。香港入境事務處は、婚姻証明書などのほか、必要に応じて家族写真やその他の関係資料を求めることがあります。つまり、法律上の婚姻証明書を提出すれば必ず許可されるという制度ではなく、個別案件ごとに審査されます。
虚偽の申告や資料提出は重大な問題となるため、婚姻日、同居状況、住所、職業などの情報は事実に基づいて正確に申告することが重要です。
香港人側には生活費と住居を支える能力が必要
香港永久居民などが外国人配偶者を扶養家族として呼び寄せる場合、スポンサーが配偶者を生活保護水準を十分上回る状態で扶養でき、香港で適切な住居を提供できることも条件とされています。
申請資料としては、スポンサーの香港身分証明書のほか、銀行残高、預金通帳、税務資料、給与明細などの経済状況を示す書類、賃貸関係書類など住居を確認する資料が案内されています。国際結婚後に香港へ移住する場合は、婚姻手続きだけではなく、家計と住居を事前に準備しておくことが重要です。
申請はオンライン、標準的な審査期間は約6週間
香港入境事務處では、扶養家族としての居留申請をオンラインで提出できます。申請者の写真、旅券、婚姻証明書など関係を証明する資料と、スポンサー側の身分証明、経済状況、住居関係資料などをアップロードします。
必要書類と所定の費用がそろってから、通常の処理期間は約6週間と案内されています。ただし、これは標準的な目安であり、申請内容や追加資料の有無などによって期間が長くなる可能性があります。また条件を満たしていても許可が自動的に保証されるものではなく、香港入境事務處が個別に判断します。
大きな特徴は「配偶者ビザで就労できる」こと
香港の扶養家族制度で日本人配偶者にとって重要なのが就労の扱いです。香港永久居民や在留期限の制限を受けない居民、香港で就労する一定の専門人材などの扶養家族として認められた配偶者については、香港入境事務處は原則として香港での就労を禁止していません。
そのため、日本人男性が香港人女性と結婚して香港へ移住した場合、香港永久居民である妻などの扶養家族として適切な居留資格を取得すれば、別途一般的な就労ビザを取得せずに働ける可能性があります。ただし、スポンサーが留学生として香港に滞在しているケースなどでは扶養家族の就労に制限があり、事前の許可が必要となる場合があります。スポンサーの在留資格によって条件が異なる点には注意が必要です。
居留期間はスポンサーの身分によって異なる
スポンサーが香港永久居民または在留期限の制限を受けない香港居民の場合、配偶者の居留期間更新は通常「3年+3年」といったパターンで許可されることがあります。一方、スポンサー自身が就労ビザや人材受入れ制度などによる期間限定の在留者である場合、扶養家族の在留期間も原則としてスポンサーの在留期限と連動します。
結婚後も婚姻関係が継続していること、スポンサーが実際に香港居民として香港で生活していることなどが更新審査で重要になります。婚姻関係やスポンサーの状況に大きな変化があった場合は、更新に影響する可能性があります。
7年間の通常居住で香港永久居民を申請できる可能性
香港入境事務處は、扶養家族として香港に入境し、香港で7年以上継続して通常居住した人について、法律上の条件を満たせば香港の居留権、いわゆる永久居民資格を申請できる可能性があると案内しています。
ただし、単純に7年間ビザを持っていれば自動的に永久居民になるわけではありません。「通常居住」に該当するかなど、香港法上の要件について審査があります。長期間香港で生活する予定の国際結婚家庭にとっては、将来設計の一つとして確認しておきたい制度です。
中国本土出身の香港人との結婚では特に確認が必要
香港人女性といっても、香港永久居民、期間限定の香港居民、中国本土住民など法的な身分はさまざまです。香港の扶養家族制度ではスポンサーの身分によって対象者や申請方法が異なります。そのため、相手が香港に住んでいるという事実だけでは判断せず、香港永久性居民身份證を持っているのか、どの在留資格で香港に滞在しているのかを確認することが重要です。
日本側の婚姻手続きも忘れない
香港方式で婚姻した日本人については、日本の戸籍にも婚姻事実を反映する手続きが必要です。在香港日本国総領事館や日本の市区町村を通じて、原則として外国方式で成立した婚姻を日本側へ届け出ます。香港での扶養家族ビザと日本の婚姻届は別の制度ですので、それぞれ手続きを行う必要があります。
紅い靴からのポイント
日本人男性と香港人女性の国際結婚では、結婚後に「日本で暮らすのか、香港で暮らすのか」によって必要な在留手続きが大きく変わります。香港永久居民などの配偶者として香港へ移住する場合、日本人配偶者は扶養家族として居留申請ができ、許可後は原則として香港で働くことも可能です。一方、真正な婚姻関係、スポンサーの経済力、住居なども審査され、婚姻証明書だけで自動的に居留資格が認められる制度ではありません。申請条件はスポンサーの香港での身分によって異なりますので、結婚前に相手の香港身分証明や在留資格を確認しておくことをおすすめします。個別案件については香港入境事務處、在香港日本国総領事館、日本の市区町村などの公的機関へ最新情報を確認し、複雑な事情がある場合には香港の移民法務に詳しい専門家へ相談してください。
重要ポイント
- 香港永久居民などの法律上の配偶者は、真正な婚姻関係、生活費を支える能力、適切な住居などの条件を満たせば扶養家族として香港居留を申請できる
- 香港永久居民や一定の就労資格者などの扶養家族として許可された配偶者は、原則として香港で就労することを禁止されていない
- 扶養家族として香港に7年以上継続して通常居住した場合、法律上の条件を満たせば香港永久居民資格を申請できる可能性がある
出典
- Hong Kong Immigration Department – Dependants
- GovHK – Online Application for Entry for Residence as Dependants
- Hong Kong Immigration Department – Visas / Entry Permits
- Hong Kong Immigration Department – Guidebook for Entry for Residence as Dependants in Hong Kong
- 在香港日本国総領事館 各種証明
日本人は2026年末まで中国へ30日以内ビザ免除、日中国際結婚の「親族訪問」がより利用しやすく
日本人の中国ビザ免除、2026年末まで継続
日本人男性と中国人女性の国際結婚や交際を考える人にとって、中国へ渡航しやすい環境が2026年も続いています。中国政府は、日本の一般旅券を持つ人に対する一方的なビザ免除措置を2026年12月31日24時まで延長しています。在中国日本国大使館も2025年11月4日、この延長措置を日本語で案内しています。
30日以内なら「親族訪問」もビザ不要
今回のビザ免除は観光だけを対象にした制度ではありません。対象となる目的は、商業、観光、親族・友人訪問、交流訪問、トランジットなどで、1回の滞在が30日以内であれば一般旅券を使ってビザなしで中国へ入国できます。
そのため、日本人男性が中国人女性と結婚した後、中国に住む妻の両親や親族を訪問する場合にも、条件を満たせばビザ免除を利用できます。婚約中や交際中で、相手の家族と会うため中国を訪れる場合も、友人・親族訪問などの対象目的に該当し得ます。
国際結婚では「相手の家族に会う」機会が重要
日中国際結婚では、日本国内だけで交際を進めるのではなく、中国に住む相手の家族と実際に会う機会を持つことも重要です。結婚後にどちらの国で生活するのか、両親との関係、帰省頻度、将来の介護、子どもの言語教育など、国境を越えた家族関係について具体的に話し合うきっかけになります。
30日以内の短期訪問について事前の中国ビザ取得が不要であることは、日本人側が中国へ渡航する際の手続き負担を軽くします。特に初めて相手の実家を訪問する場合や、結婚前に家族へ挨拶する場合には利用しやすい制度です。
一般旅券が条件、すべての渡航目的が対象ではない
注意したいのは、ビザ免除の対象が有効な一般旅券を持つ日本人であり、すべての中国渡航がビザ不要になるわけではないことです。中国で就労する場合、長期留学をする場合、30日を超えて滞在する場合など、ビザ免除条件を満たさない目的では事前に適切な中国ビザを取得する必要があります。
また、結婚後に日本人配偶者が中国で長期生活する場合も、30日以内の親族訪問とは別の話です。中国で継続的に生活するためには、渡航目的や滞在期間に応じた査証・居留許可などを確認する必要があります。
2026年は短期ビザ申請の指紋採取も緩和
ビザ免除の条件に当てはまらず、中国ビザを取得する必要がある人についても、2026年は申請手続きの一部が緩和されています。中国の在日公館は、2026年12月31日まで、滞在期間180日以内の短期ビザ申請者について原則として指紋採取を免除すると案内しています。
一方、D、J1、Q1、S1、X1、Zなど、中国入国後に居留許可の取得が必要となる長期滞在関係のビザでは、引き続き規定に基づき指紋採取が必要とされています。中国人配偶者と中国へ長期移住する場合は、短期訪問と長期居住の手続きを区別することが重要です。
入境カードも事前オンライン入力が可能に
中国では2025年11月20日から、外国人入境カードを渡航前にオンラインで入力できる仕組みも導入されています。中国国家移民管理局のウェブサイトや「移民局12367」アプリ、WeChat・Alipayのミニプログラムなどから入境情報を入力できます。
オンライン入力ができない場合でも、到着した中国の空港・港などでQRコードや現場の端末を利用して入力するほか、紙の外国人入境カードを利用できる仕組みが残されています。そのため、オンライン入力ができなければ入国できないという制度ではありません。
ビザ免除でも入国が自動的に保証されるわけではない
ビザ免除は「ビザを事前取得しなくても入国審査を受けられる制度」であり、無条件で中国への入国が保証される制度ではありません。中国側の公式FAQでは、入国時に渡航目的を確認される場合があり、目的に応じて航空券、宿泊先、招待者との関係などを示す資料を準備しておくことが推奨されています。
中国人配偶者や交際相手の自宅へ滞在する場合には、相手の氏名、住所、電話番号などをすぐ確認できるようにしておくと安心です。
30日を超える可能性がある場合は事前確認を
国際結婚の場合、結婚式の準備、親族との交流、旧正月などの長期帰省で予定より滞在期間が長くなることがあります。ビザ免除で認められるのは原則30日以内です。最初から30日を超える予定がある場合には、渡航前に適切な中国ビザを取得する必要があります。
また、中国国内で婚姻登記、就労、留学など別の活動を行う予定がある場合には、その活動がビザ免除の範囲内なのかを中国の出入境管理当局や中国大使館・総領事館に確認してください。
紅い靴からのポイント
日本人男性と中国人女性の国際結婚では、二人だけでなく双方の家族との関係づくりも重要です。2026年末まで、日本人の一般旅券所持者は親族・友人訪問などを目的として30日以内中国へ滞在する場合、ビザ免除を利用できます。これにより、結婚前の家族への挨拶、結婚後の帰省、親族との交流などは以前より行いやすくなっています。一方、中国で長期生活する場合や就労・長期留学をする場合は別のビザ・居留制度が関係します。また、ビザ免除政策は2026年12月31日までとされているため、2027年以降の扱いは改めて確認する必要があります。実際の渡航前には、中国大使館・総領事館、中国国家移民管理局、在中国日本国大使館などの最新情報を確認し、個別事情がある場合は公的機関または専門家へ確認してください。
重要ポイント
- 日本の一般旅券所持者に対する中国の30日以内ビザ免除措置は2026年12月31日まで延長されている
- ビザ免除は観光だけでなく親族・友人訪問も対象で、中国人配偶者や交際相手の家族を訪問する際にも利用しやすい
- 30日を超える滞在、就労、長期留学、長期居住などはビザ免除の対象外となるため、目的に応じたビザ・居留手続きを確認する必要がある
出典
- 在中国日本国大使館 中国入国のためのビザ免除措置延長
- 中国政府 単方面免签政策常见问题解答 2026年5月25日更新
- 中国政府 关于延长单方面免签政策的通知
- 中国駐名古屋総領事館 短期ビザ申請者の指紋採取免除
- 中国政府 外国人入境カードオンライン入力制度
- JETRO 中国、日本へのビザ免除を2026年末まで延長
外国人向け「日本語・生活学習プログラム」創設を政府が検討、日本人の外国籍配偶者にも将来影響する可能性
2026年7月、外国人向けの新しい学習制度案が公表
日本人男性と中国・台湾・香港・シンガポールなど出身の女性が結婚し、日本で生活する場合に将来関係する可能性のある新しい政策が動き始めています。出入国在留管理庁は2026年7月3日、外国人が日本語や日本の制度・ルールなどを学ぶプログラムについて、法務大臣政務官プロジェクトチームの報告書を公表しました。現時点では新しい義務がすでに施行されたわけではなく、今後の制度設計に向けた検討段階です。
背景には2026年1月の政府方針
政府は2026年1月23日に「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を取りまとめました。その中で、日本に在留する外国人について、日本語だけでなく、日本の制度や生活上のルールなどを体系的に学ぶプログラムの創設を検討する方針が示されています。帯同家族を含め、外国人が日本で生活するために必要な知識を身につける機会を整備することが目的とされています。
単なる日本語教室ではない
今回検討されているプログラムの特徴は、日本語能力だけを学ぶ仕組みではないことです。日本で生活するうえで必要となる行政手続き、税・社会保障、生活上のルール、地域社会での生活などを含め、日本語と生活知識を組み合わせて学習する方向が示されています。
出入国在留管理庁はすでに外国人生活支援ポータルサイトを運営し、「生活・就労ガイドブック」や生活オリエンテーション動画を多言語で提供しています。今回の構想は、こうした既存の情報提供をさらに体系的な学習制度へ発展させることを検討するものと位置付けられます。
訪日前からオンラインで学べる仕組みも検討
報告書では、ICTを利用し、日本へ入国する前から学習できる環境をつくる方向も検討されています。国際結婚の場合、中国や台湾などに住んでいる外国人配偶者が日本へ移住する前から、日本語や日本での生活ルールを学べる仕組みが整えば、新生活を始める際の準備に役立つ可能性があります。
結婚後に必要となる住民登録、健康保険、年金、税金、銀行、住居、子育てなど、日本で生活するには多くの制度があります。外国人配偶者が来日して初めてすべてを知るのではなく、来日前から基本的な仕組みを理解できる環境を整えるという考え方です。
在留審査への活用も今後の検討課題
今回特に注目されているのが、プログラムの受講状況などを将来の在留審査にどのように活用するかという点です。政府の総合的対応策では、在留資格や永住許可などについて、日本語や日本の制度・ルール等を学習するプログラムの受講を条件とすることを含めて検討する方向が示されています。
ただし、2026年8月現在、日本人と結婚した外国人が在留資格「日本人の配偶者等」を取得するために、新しい日本語試験や今回の学習プログラムを受講しなければならない制度が導入されたわけではありません。出入国在留管理庁が現在公表している「日本人の配偶者等」の申請書類では、日本人配偶者の戸籍謄本、外国で発行された婚姻証明書、質問書、生活費を証明する資料などが案内されています。
日本人の外国籍配偶者にどこまで適用されるかは未確定
政府方針は日本に在留する外国人を広く視野に入れていますが、最終的にどの在留資格を対象とするのか、日本人の外国籍配偶者についてどの程度受講を求めるのか、受講を義務化するのか、在留期間更新や永住審査でどのように評価するのかといった具体的な制度はまだ確定していません。
そのため、「今後、日本人と結婚する外国人には日本語試験が必須になる」と現段階で断定することはできません。制度の目的、対象者、学習時間、費用、受講方法、試験の有無などは今後の政府の検討を待つ必要があります。
国際結婚を考える人には日本語学習がより重要に
制度化の有無にかかわらず、日本へ移住する外国人配偶者にとって日本語を学ぶことは新生活を安定させるうえで大きな意味があります。病院で症状を説明する、市区町村の通知を読む、銀行や住宅の契約内容を理解する、子どもの学校や保育園と連絡を取るなど、日常生活の多くの場面で日本語が必要になります。
一方、日本人側も外国人配偶者だけに適応を求めるのではなく、行政書類を一緒に確認したり、必要な場合には外国語相談窓口を利用したりすることが重要です。国際結婚では、双方が相手の言語や文化を理解しようとする姿勢が新生活を支える基盤になります。
現在利用できる公的な外国人生活支援
出入国在留管理庁の「外国人生活支援ポータルサイト」では、日本で生活する外国人向けに、在留手続き、市区町村での届出、雇用・労働、出産・子育て、教育、医療、年金・福祉、税金、住宅、防災など幅広い情報を提供しています。生活・就労ガイドブックは複数言語で用意されているため、日本へ移住する予定の外国人配偶者が事前学習に利用できます。
国際結婚後に日本へ移住する予定が決まった段階で、こうした公的資料を夫婦で確認しておけば、来日後の行政手続きを進めやすくなります。
今後確認したいポイント
今後は、新プログラムの正式名称、開始時期、対象となる在留資格、受講方法、日本語能力の基準、受講費用、在留期間更新や永住許可との関係が重要な確認事項となります。政府の検討段階にある制度については、報道やSNSだけで判断せず、出入国在留管理庁や法務省が公表する正式な情報を確認することが大切です。
紅い靴からのポイント
2026年7月に公表された「日本語・生活学習プログラム」の報告書は、日本で暮らす外国人に対する政策が、在留資格の取得だけでなく「日本でどのように生活していくか」という段階まで重視する方向に進んでいることを示しています。日本人男性と中華圏の女性が結婚し、日本を生活拠点にする場合も、日本語、行政制度、税金、社会保険、住居、医療、子育てなどを結婚前から一緒に学んでおくことは有益です。ただし、2026年8月現在、新プログラムは検討段階であり、日本人の外国籍配偶者に新たな日本語試験や受講義務がすでに課されているわけではありません。今後制度が具体化した場合には対象者や在留審査との関係が変更される可能性がありますので、出入国在留管理庁などの公的情報を確認してください。個別の在留資格・永住申請については地方出入国在留管理局または専門家へ確認することをおすすめします。
重要ポイント
- 出入国在留管理庁は2026年7月3日、外国人が日本語と日本の制度・生活ルールを体系的に学ぶ新プログラムに関する検討報告書を公表した
- 政府はプログラムの受講状況を将来の在留審査などに活用することも含めて検討しているが、具体的な対象者・開始時期・義務化の範囲はまだ確定していない
- 2026年8月現在、「日本人の配偶者等」を取得するために今回の新プログラム受講や新たな日本語試験が義務化されたわけではない
出典
- 出入国在留管理庁 外国人が日本語や我が国の制度・ルール等を学習するプログラムの検討に関する法務大臣政務官PT報告書
- 法務省 法務大臣閣議後記者会見の概要 2026年7月3日
- 内閣官房 外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議
- 出入国在留管理庁 外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策
- 出入国在留管理庁 外国人生活支援ポータルサイト
- 出入国在留管理庁 在留資格「日本人の配偶者等」
日本人の配偶者の永住申請、2027年4月から「3年ビザ」の扱い変更へ―2026年中に確認したい新ルール
日本人の外国人配偶者にも関係する永住ルールの変更
日本人男性と結婚し、中国、台湾、香港、シンガポールなどから日本へ移住した外国人配偶者にとって、将来の生活設計で重要になるのが「永住許可」です。出入国在留管理庁は2026年2月24日、「永住許可に関するガイドライン」を改訂しました。特に注目したいのが、現在3年の在留期間を持つ人について、「最長の在留期間をもって在留している」という永住許可要件を満たすものとして扱う経過措置に期限が設けられたことです。
現在は3年の在留期間でも「最長」として扱われる
2026年8月現在、永住許可ガイドラインでは、2027年3月31日までの間、在留期間「3年」を持っている人については、永住許可要件の一つである「現に有している在留資格について最長の在留期間をもって在留していること」を満たすものとして取り扱うとしています。
在留資格「日本人の配偶者等」には複数の在留期間があります。このため現在3年の在留期間を持つ外国人配偶者が永住を検討している場合、今回の変更は申請時期を考えるうえで重要です。
2027年4月1日から取扱いが変わる
出入国在留管理庁は、2027年4月1日をもって、3年の在留期間を一律に「最長の在留期間」とみなしてきた取扱いを変更すると案内しています。一方、2027年3月31日時点で3年の在留期間を持っている人については、その在留期間中に処分を受ける場合など一定の条件のもと、初回に限る経過措置も示されています。
したがって、「2027年4月になった瞬間に、3年の在留期間を持つ人が全員永住申請できなくなる」と単純に考えるのも正確ではありません。現在持っている在留期間、有効期限、申請日、経過措置の適用関係によって判断が変わる可能性があるため、申請前に最新の入管案内を確認する必要があります。
日本人の配偶者には居住年数の特例がある
一般的な永住許可では、原則として引き続き10年以上日本に在留していることなどが求められます。しかし、日本人、永住者または特別永住者の配偶者については特例があります。最新ガイドラインでは、「実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上日本に在留していること」が永住許可の在留期間に関する特例として示されています。
たとえば中国人女性が日本人男性と結婚し、実際の夫婦生活が3年以上続いていて、日本に引き続き1年以上在留している場合には、原則10年という一般的な在留年数とは異なる特例を利用できる可能性があります。ただし、この年数を満たしただけで永住が自動的に認められるわけではありません。
「結婚3年+日本1年」で必ず永住できるわけではない
国際結婚では、「日本人と3年間結婚して日本に1年間住めば永住権が取れる」と理解されることがありますが、これは正確ではありません。この条件は永住許可の在留期間に関する特例であり、その他の審査条件も確認されます。
出入国在留管理庁は永住許可について、公的義務を適正に履行していることを重視しています。具体的には納税、公的年金、公的医療保険の保険料納付、入管法上の届出などについて、期限を守って適正に履行していることが確認されます。後から未納分をまとめて支払った場合でも、期限内に履行していなかった事実が審査上考慮されることがあります。
外国人配偶者本人だけでなく世帯の資料も重要
日本人の配偶者として永住許可を申請する際、出入国在留管理庁の申請案内では、所得や納税状況を示す住民税関係の資料、預貯金通帳の写しなどの資産資料、年金保険料や健康保険料の納付状況を確認する資料、身元保証書などが案内されています。申請人を扶養している日本人配偶者の所得・納税状況が必要になる場合もあります。
そのため、結婚後に永住申請を考えている夫婦は、申請直前になって資料を集めるだけではなく、日頃から税金、年金、健康保険の支払期限を守ることが重要です。
永住許可になると何が変わるのか
在留資格「日本人の配偶者等」では在留期限があり、期限が来るたびに在留期間更新許可申請が必要です。一方、永住者になれば在留期間の更新は不要になります。ただし在留カード自体には有効期間があるため、カードの更新手続きは必要です。また永住者は在留資格上の活動内容に制限がなく、婚姻関係を基礎とした在留資格から独立した地位になります。
ただし、永住許可を取得することと日本国籍を取得する「帰化」は別の制度です。永住者になっても国籍は変わりません。
国際結婚を予定している人が今から確認したいこと
第一に、現在の在留カードに記載された在留期間が1年、3年、5年などのどれなのかを確認します。第二に、実体を伴う婚姻生活が何年間続いているか、日本での継続在留期間が何年あるかを整理します。第三に、住民税、所得税、年金、健康保険などの支払いに遅れがないかを確認します。第四に、2027年4月以降に永住申請する場合には、3年在留期間についての経過措置が自分に適用されるかを確認することが重要です。
紅い靴からのポイント
日本人男性と中国・台湾・香港・シンガポールなど出身の女性が結婚し、日本で長期的な家庭生活を築く場合、「日本人の配偶者等」から永住者へ進むことは将来の選択肢の一つです。2026年2月のガイドライン改訂によって、特に3年の在留期間を持つ人は2027年3月31日という日付を意識する必要が出てきました。ただし永住審査は婚姻年数だけではなく、実際の婚姻生活、在留状況、公的義務の履行などを総合的に判断する制度です。結婚当初から税金、年金、健康保険、在留資格更新などを適切に管理しておくことが将来の永住申請にもつながります。個別の申請可否や経過措置の適用については、管轄する地方出入国在留管理局または出入国在留管理庁へ確認し、必要に応じて行政書士や弁護士などの専門家へ相談してください。
重要ポイント
- 2026年2月24日改訂の永住許可ガイドラインでは、在留期間3年を「最長の在留期間」とみなす現行の取扱いを2027年3月31日までとしている
- 日本人の配偶者には、実体を伴う婚姻生活3年以上かつ日本で引き続き1年以上在留という在留年数の特例があるが、それだけで永住が自動許可されるわけではない
- 永住申請では税金、公的年金、健康保険料などの公的義務を適正な期限内に履行しているかも重要なので、結婚後から継続的に管理することが大切
出典
- 出入国在留管理庁 永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)
- 出入国在留管理庁 永住許可(入管法第22条)
- 出入国在留管理庁 永住許可申請1(日本人・永住者・特別永住者の配偶者等)
- 出入国在留管理庁 在留資格「日本人の配偶者等」
- 出入国在留管理庁 在留期間更新許可申請
2026年10月「106万円の壁」撤廃へ、日本人と結婚した外国人配偶者の働き方はどう変わる?
2026年10月、「106万円の壁」が変わる
日本人男性と結婚して日本で新生活を始める中国・台湾・香港など出身の女性にとって、結婚後の仕事と社会保険は重要な生活設計の一つです。厚生労働省と日本年金機構の最新案内によると、短時間労働者が健康保険・厚生年金保険へ加入する際に設けられている「所定内賃金が月額8.8万円以上」という賃金要件は、2026年10月に撤廃される予定です。年収換算で約106万円だったことから、一般に「106万円の壁」と呼ばれてきた基準です。
現在はどのようなルールなのか
2026年8月現在、厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業などで働く短時間労働者については、原則として週の所定労働時間が20時間以上、学生ではないこと、所定内賃金が月額8.8万円以上であることなどを満たすと、健康保険・厚生年金保険の加入対象になります。ただし日本年金機構は、全国の最低賃金水準との関係から、最低賃金以上で週20時間以上働けば現在でも月額8.8万円以上になるため、この賃金要件を2026年10月に撤廃予定と案内しています。
外国人配偶者にも同じ社会保険ルールが関係する
社会保険の加入条件は、原則として日本人か外国人かだけで分けられる制度ではありません。日本で適法に働き、対象となる事業所・労働条件に該当すれば、外国人配偶者も健康保険・厚生年金保険の加入対象となります。日本人男性と結婚した中国人女性などが、日本でパートやアルバイトを始める場合にも関係する制度です。
特に在留資格「日本人の配偶者等」を持つ人について、出入国在留管理庁は入管法上、就労する職種に制限がないと案内しています。技術・人文知識・国際業務などの就労資格とは異なり、一般的な事務、販売、飲食、サービス業などを含め、在留資格上の職種制限を受けずに働くことができます。ただし、就労と社会保険加入は別の制度ですので、勤務条件に応じて会社側で社会保険の加入判定が行われます。
2026年10月以降は「収入額」より週20時間が重要に
今回の変更後は、現在の月額8.8万円という賃金基準がなくなるため、短時間労働者について「年収106万円を超えないように働く」という考え方は社会保険加入の判断では意味が薄くなります。厚生労働省は、配偶者の扶養の範囲内で働く人についても、雇用契約などにおける週の所定労働時間が20時間以上であれば、対象となる企業では健康保険・厚生年金保険に加入することになると説明しています。
一方、2026年10月にすべての会社で一斉に「週20時間以上なら加入」となるわけではありません。企業規模要件は段階的に縮小される予定で、現在は原則51人以上の企業が対象です。2027年10月から36人以上、2029年10月から21人以上、2032年10月から11人以上へ広がり、2035年10月には企業規模要件が撤廃される予定です。
「130万円の壁」が同時になくなるわけではない
注意したいのは、「106万円の壁」と「130万円の壁」は同じ制度ではないことです。厚生労働省は、会社員などの配偶者として健康保険の被扶養者・国民年金第3号被保険者になっている人について、勤務先の社会保険加入対象とならない場合でも、一定以上の収入になると扶養から外れる可能性があると案内しています。2026年10月に撤廃予定なのは短時間労働者の月額8.8万円という賃金要件であり、扶養制度全体がなくなるわけではありません。
社会保険に加入すると何が変わる?
配偶者の扶養から外れて自分の勤務先の健康保険・厚生年金保険へ加入すると、給与から本人負担分の社会保険料が差し引かれるため、短期的には手取り額が減る場合があります。一方、厚生年金へ加入することで将来受け取る年金額が増えるほか、健康保険では病気やけがで仕事を休んだ場合の傷病手当金、出産時の出産手当金など、被扶養者にはない給付を受けられる場合があります。
国際結婚後の仕事探しで確認したいこと
外国人配偶者が日本で働き始める場合には、給与額だけを見るのではなく、週の契約労働時間、勤務先の従業員規模、雇用期間、社会保険加入の有無を採用時に確認することが重要です。また、「日本人の配偶者等」以外の在留資格で日本に滞在している場合には、働ける職種や時間に別の制限がある可能性があります。必ず在留カードに記載された在留資格・就労制限を確認してください。
結婚後の家計にも影響する
日本人男性と外国人女性が結婚して日本で暮らす場合、配偶者が働くかどうかは世帯収入だけでなく、健康保険、年金、税金、出産・育児の給付にも関係します。これまで「扶養の範囲で働くために年収を抑える」という選択をしていた家庭でも、制度変更後は週20時間という労働時間を意識した働き方の検討がより重要になります。
紅い靴からのポイント
国際結婚では、婚姻届や配偶者ビザを取得したところで手続きが終わるわけではありません。日本で新生活を始めれば、仕事、健康保険、年金、税金、住居など日常生活の制度が関係してきます。2026年10月には「106万円の壁」と呼ばれる賃金要件が撤廃予定で、外国人配偶者がパート・アルバイトとして働く家庭にも影響があります。特に「日本人の配偶者等」は職種に関する就労制限がないため、働き方の選択肢は広い一方、社会保険については勤務時間や勤務先規模を確認する必要があります。実際の加入判定は勤務先や個人の勤務条件によって異なるため、日本年金機構、年金事務所、勤務先の人事・労務担当者などへ確認してください。在留資格について不明点がある場合は出入国在留管理庁へ確認し、税務や社会保険を含む複雑な個別案件では税理士、社会保険労務士、行政書士などの専門家への相談も検討してください。
重要ポイント
- 短時間労働者の社会保険加入に使われてきた月額8.8万円以上、いわゆる「106万円の壁」の賃金要件は2026年10月に撤廃予定
- 在留資格「日本人の配偶者等」は入管法上の就労職種に制限がないが、健康保険・厚生年金への加入は勤務時間や勤務先規模などで別途判断される
- 2026年10月に「130万円の壁」や企業規模要件まで一斉になくなるわけではなく、勤務条件と扶養の扱いを個別に確認する必要がある
出典
- 厚生労働省 年金・社会保険の加入対象の拡大について
- 厚生労働省 「年収の壁」への対応
- 厚生労働省 年金制度改正法が成立しました
- 日本年金機構 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
- 日本年金機構 配偶者の扶養の範囲内でお勤めのみなさまへ
- 出入国在留管理庁 在留資格「日本人の配偶者等」
- 出入国在留管理庁 就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項
日本のビザ手数料が2026年7月から大幅改定、中国人配偶者の訪日・日本移住で確認したい費用
2026年7月、日本の査証手数料が大きく変わった
日本人男性と中国人女性の国際結婚を考える夫婦に関係する新しい動きとして、日本政府は2026年7月1日から査証(ビザ)手数料を大幅に改定しました。外務省によると、一次有効査証の基準額は従来の約3,000円から約15,000円へ、数次有効査証は約6,000円から約30,000円へ変更されました。2026年7月1日以降に在外公館で受理された申請から新料金が適用されています。
中国では上海の一般査証が145元から715元へ
在上海日本国総領事館が2026年6月24日に公表した料金表では、2026年7月1日以降に受理される一般入国査証の手数料は145人民元から715人民元へ変更されました。数次入国査証についても285人民元から1,430人民元へ変更されています。日本円で定められた基準額を現地通貨へ換算するため、国・地域や年度によって実際の現地通貨額は異なる場合があります。
また、中国での日本査証申請は原則として日本大使館・総領事館が指定する代理申請機関などを通じて行うケースがあり、査証手数料とは別に代理申請機関の取次手数料が発生する場合があります。そのため、実際に必要となる総額は査証手数料だけで判断しないことが重要です。
中国人配偶者の「短期訪日」にも関係
中国人女性と日本人男性が結婚し、中国を生活拠点としている場合、中国人配偶者が日本へ一時帰国に同行したり、日本の両親・親族を訪問したりする機会があります。中国本土の一般旅券を持つ中国人は、日本への短期訪問について原則として事前に査証を取得する必要があるため、今回の料金改定はこうした夫婦にも関係します。
在上海日本国総領事館は2026年6月23日、中国在住の日本人の外国籍配偶者を対象とする一次・数次の短期査証について最新案内を掲載しています。対象となるのは、中国国内で6か月以上の滞在資格・居留許可を持つ日本人と現在法律上の婚姻関係にある外国籍配偶者で、以前存在した日本人側の「中国国内居住1年以上」という条件は廃止されています。
結婚後に日本へ移住する場合は「短期ビザ」と別
中国人配偶者が日本人との結婚後、日本へ旅行するのではなく、日本で夫婦として継続的に生活する場合には、通常は在留資格「日本人の配偶者等」を検討します。この場合、まず日本側で在留資格認定証明書(COE)の交付申請を行い、交付後、中国の日本大使館・総領事館の管轄で査証を申請して入国するという流れが代表的です。
在上海日本国総領事館が2026年6月23日に更新した案内では、在留資格認定証明書を持つ中国人が査証申請を行う際、旅券、在留資格認定証明書、査証申請書、写真、戸口簿の写しなどが必要とされています。戸籍所在地が同総領事館の管轄外の場合には、居住証などを求められる場合があります。
「査証」と「在留資格」は同じものではない
国際結婚で特に混同しやすいのが、査証(ビザ)と在留資格です。査証は海外にある日本大使館・総領事館などが発給する、日本への入国申請に必要となる文書です。一方、「日本人の配偶者等」は日本の出入国在留管理制度上の在留資格です。日本人と法律上結婚しただけで査証や在留資格が自動的に取得できるわけではありません。
また、短期滞在の親族訪問査証を取得して日本へ入国することと、日本人の配偶者として日本に居住することは目的も手続きも異なります。最初から日本へ移住する予定であれば、短期査証だけを見るのではなく、在留資格認定証明書から日本入国までの全体的な流れを確認する必要があります。
今回の値上げで夫婦が確認すべきこと
第一に、査証を申請する日が2026年7月1日以降であれば、新料金が適用されるかを確認します。第二に、一次査証なのか数次査証なのかを確認します。第三に、中国のどの日本大使館・総領事館の管轄で申請するのかを確認します。第四に、指定代理申請機関のサービス料を含めた実際の費用を確認します。第五に、短期の家族訪問なのか、日本へ移住するための「日本人の配偶者等」なのかを明確にして、必要な手続きを選ぶことが重要です。
すべての人が同じ料金とは限らない
外務省は、渡航目的や国籍によって査証手数料が不要になる場合や、通常とは異なる金額になる場合があると説明しています。また、査証が発給されなかった場合には原則として査証手数料は必要ありません。したがって、「中国人配偶者なら必ず715元」などと一律に判断せず、実際の査証種類と申請先に応じた最新料金を確認する必要があります。
紅い靴からのポイント
2026年7月の査証手数料改定は、単なる観光ビザのニュースではありません。中国人女性と日本人男性が結婚した後、中国と日本を行き来したり、日本へ移住したりする際の実務費用にも関係する変更です。特に国際結婚では、「中国での婚姻登記」「日本への婚姻届」「短期訪日査証」「在留資格認定証明書」「日本人の配偶者等」という複数の制度が関係します。結婚後にどちらの国で生活するのかを早めに決め、必要書類、申請時期、費用を一つずつ整理することが大切です。査証料金、必要書類、在留資格の審査は個別事情によって異なるため、最終的には管轄する日本大使館・総領事館、指定代理申請機関、出入国在留管理庁などの公的機関へ確認し、複雑な事情がある場合は行政書士や弁護士などの専門家への相談も検討してください。
重要ポイント
- 2026年7月1日から日本の査証手数料が改定され、基準額は一次有効査証が約15,000円、数次有効査証が約30,000円となった
- 在上海日本国総領事館では一般入国査証が145元から715元、数次入国査証が285元から1,430元へ変更された
- 中国人配偶者の短期訪日査証と、日本へ移住するための在留資格「日本人の配偶者等」は別の制度なので目的に応じた手続きが必要
出典
- 外務省 査証手数料(2026年7月1日施行)
- 外務省 外務大臣会見記録・査証手数料の改定
- 在上海日本国総領事館 査証手数料について(令和8年7月1日付改正)
- 在上海日本国総領事館 日本人の外国籍配偶者等短期査証
- 在上海日本国総領事館 在留資格認定証明書を所持する場合の査証申請
- 出入国在留管理庁 在留資格「日本人の配偶者等」
日本人男性×中国人女性は年間3,287組、2026年公表の最新確定統計から見る日中国際結婚
2026年公表の最新確定統計で日中国際結婚を確認
厚生労働省の2024年人口動態統計確定数が2026年3月17日に政府統計e-Statで公開され、日本人と外国人の国際結婚の最新確定データが確認できるようになりました。2024年に夫妻の一方が外国人だった婚姻は18,420組で、日本全体の婚姻件数の3.8%でした。前年の18,475組からは55組減少していますが、2020年に大きく落ち込んだ後、2021年以降は回復傾向が続いてきました。
日本人男性と中国人女性は3,287組で最多
2024年の「夫日本人・妻外国人」の婚姻は11,517組でした。そのうち妻の国籍で最も多かったのが中国で3,287組です。つまり、日本人男性と外国人女性の婚姻のおよそ3割弱を中国人女性が占めています。中国に次いでフィリピン、韓国・朝鮮の順となっており、中国人女性は現在も日本人男性の国際結婚相手として大きな割合を占めています。
一方、「妻日本人・夫外国人」は6,903組で、夫の国籍では韓国・朝鮮が1,627組で最も多く、次いで米国、中国の順でした。日中国際結婚は双方の組み合わせで成立していますが、統計上は日本人男性と中国人女性という組み合わせの件数がより多いことが分かります。
国際結婚全体は日本の婚姻の3.8%
2024年の夫妻の一方が外国人である婚姻は18,420組でした。日本全体では少数派ではあるものの、年間約1万8千組という規模があります。厚生労働省によると、国際結婚は1980年代後半から増加し、2007年以降は長期的に減少しました。その後2016年頃から再び増加傾向となりましたが、2020年には新型コロナウイルスによる国境移動の制限などが重なり大きく減少し、2021年以降は再び増加方向に転じています。
中国人女性3,287組という数字をどう見るか
3,287組という数字は、2024年に日本の人口動態統計上把握された「夫が日本人、妻が中国人」の婚姻件数です。これは結婚相談所を利用した人数や、中国国内で結婚した日本人と中国人のすべてを直接表す数字ではありません。人口動態統計は、日本の戸籍法などに基づく届出をもとに集計されるため、海外で婚姻した後に日本へ届出をしていないケースなどは統計上の扱いが異なる可能性があります。
また、中国籍の中には日本に長期間居住している人、留学生、就労者、中国で生活している人などさまざまな背景があります。「中国人女性との国際結婚」といっても、一つの生活スタイルや価値観でまとめることはできません。統計は市場規模や傾向を見る材料にはなりますが、個人の性格や結婚観を国籍だけから判断しないことが重要です。
在留外国人は2025年末に400万人を突破
出入国在留管理庁が公表した2025年末の在留外国人数は4,125,395人となり、初めて400万人を超えました。前年末から356,418人、9.5%増加しています。外国人が日本で生活する機会そのものが増えており、仕事、留学、地域社会、友人関係などを通じて日本人と外国人が出会う機会も広がっています。
ただし、在留外国人の増加がそのまま国際結婚の増加を意味するわけではありません。婚姻には年齢構成、滞在目的、地域、仕事、家族観など多くの要因が関係します。国際結婚市場を見る際は、在留人口と婚姻件数を別々の指標として理解する必要があります。
国際結婚を検討する人への実務的な意味
今回の統計から分かるのは、日本人男性と中国人女性の婚姻が決して例外的なケースではなく、毎年数千組規模で成立しているという点です。一方、実際に結婚する場合には、恋愛や相性だけでなく、日本と中国それぞれの婚姻手続き、婚姻要件具備証明書、日本側への婚姻届、結婚後の在留資格、住居、仕事、社会保険、将来どちらの国で生活するかといった問題を具体的に確認する必要があります。
特に中国人配偶者が日本で生活する場合、婚姻が成立したことと在留資格「日本人の配偶者等」が認められることは別の手続きです。出入国在留管理庁では戸籍謄本、婚姻を証明する資料、質問書などを含む申請書類を案内しています。婚姻しただけで自動的に日本で長期滞在できるわけではありません。
統計を見る際に確認したいポイント
今回の3,287組は2024年の確定数であり、2026年現在のリアルタイムの婚姻件数ではありません。人口動態統計の確定値は集計・確認を経て後から公表されるため、最新の確定統計と現在の婚姻状況には時間差があります。また、「中国」についても台湾、香港などは統計上の扱いが異なる場合があるため、中華圏全体の国際結婚市場を分析するときには、地域別データを分けて確認することが重要です。
紅い靴からのポイント
2026年に確認できる最新の確定統計では、日本人男性と中国人女性の婚姻は年間3,287組あり、「夫日本人・妻外国人」の中で中国が最多でした。日中国際結婚にはすでに一定の社会的規模があります。しかし、本当に重要なのは件数の多さではなく、結婚後の生活を具体的に設計できるかどうかです。言語、文化、親族との関係、仕事、住居、資産管理、在留資格、将来の居住国などを結婚前から話し合うことが大切です。婚姻届や在留資格など個別の行政手続きについては、市区町村、在外公館、出入国在留管理庁などの公的機関へ最新情報を確認し、必要に応じて行政書士や弁護士などの専門家へ相談してください。
重要ポイント
- 2024年の夫妻の一方が外国人である婚姻は18,420組で、日本の全婚姻の3.8%だった
- 日本人男性と外国人女性の婚姻11,517組のうち、中国人女性は3,287組で国籍別最多だった
- 統計上の婚姻件数と実際の国際結婚市場全体は同一ではなく、結婚後の在留資格や生活設計も別途確認する必要がある
出典
- 厚生労働省 令和6年(2024)人口動態統計 第9章 婚姻
- 政府統計の総合窓口 e-Stat 人口動態統計 夫妻の国籍別にみた年次別婚姻件数・百分率
- 出入国在留管理庁 令和7年末現在における在留外国人数について
- 出入国在留管理庁 在留外国人統計
- 出入国在留管理庁 在留資格「日本人の配偶者等」
香港で日本人と香港人が結婚するには?2026年最新の婚姻登記と日本への届出を確認
香港の婚姻登記案内が2026年6月に更新
香港入境事務處は2026年6月9日、香港での婚姻登記に関する案内を更新しています。日本人男性と香港人女性が香港で結婚する場合に重要なのは、香港では婚姻当事者について香港居住者であることを求める居住要件がなく、国籍を問わず所定の手続きを経て婚姻できるという点です。日本に住む日本人と香港在住の相手が香港で結婚するケースも制度上想定されています。
香港では居住要件や国籍要件がない
香港入境事務處の最新案内では、香港で結婚する当事者について居住要件はなく、当事者はどの国籍でもよいとされています。したがって、日本人と香港人の組み合わせはもちろん、双方が香港の外に居住している場合でも香港で婚姻するための手続きがあります。ただし、香港で結婚式を行えば自動的に法律上の婚姻になるわけではなく、Marriage Ordinanceに基づく正式な婚姻登記手続きを進める必要があります。
最初の重要手続きは「結婚予定通知」
香港で法律上の婚姻を成立させる場合、まず当事者の一方がRegistrar of MarriagesにNotice of Intended Marriage、つまり結婚予定通知を提出します。香港の婚姻登記所へ直接提出する方法のほか、認可されたCivil Celebrant of Marriagesを通じて行う方法があります。婚姻登記所へ直接提出する場合はオンラインで予約することもできます。
通知時には、当事者双方の香港身分証明書、旅券などの身分証明書類が必要になります。香港入境事務處の案内では、結婚予定通知の提出手数料は305香港ドルとされています。必要書類や料金は変更される可能性があるため、実際の申請時には最新情報を確認してください。
結婚予定日の少なくとも15日前までに手続き
香港では結婚予定通知を提出した後、原則として少なくとも15日が経過し、法定要件が満たされればRegistrar of Marriagesの証明書が発行され、婚姻を行うことができます。一方、通知を提出してから3か月以内に婚姻を成立させなかった場合、その通知とそれに基づく手続きは失効し、改めて通知を提出する必要があります。
このため、香港で結婚する場合は「15日以上前に通知する」という最低期間だけでなく、「通知から3か月以内に結婚する」という期限も意識して日程を決める必要があります。特定の日に婚姻登記所で結婚したい場合は、予約枠にも限りがあるため、早めの準備が重要です。
香港に住んでいない2人でも手続きできる
双方が現在香港の外に住んでいる場合についても、香港入境事務處は特別な手続きを案内しています。香港外から所定の結婚予定通知書を作成し、必要な認証を受けたうえで、関連書類とともに香港のMarriage Registration and Records Officeへ送付する方法があります。この場合、海外で作成する宣誓書類について公証が必要になる場合があります。
また、提出する証明書類が中国語または英語で作成されていない場合には、認証された翻訳が必要とされています。日本語の書類を利用する場合には、どの書類に英訳または中国語訳が必要なのかを事前に婚姻登記所へ確認することが重要です。
離婚歴がある場合は追加書類に注意
過去に結婚歴があり離婚している場合には、以前の婚姻が法的に終了していることを示す証明が必要になります。香港入境事務處は、外国で成立した離婚の場合についても、裁判所の最終的な離婚判決などの証明を求めることがあります。死別の場合も同様に、現在婚姻できる状態であることを証明するため追加資料が必要となる可能性があります。
在香港日本国総領事館も、香港方式で婚姻する際にはケースによって婚姻要件具備証明書、いわゆる独身証明や離婚証明などを香港側から要求される場合があるとして、事前に婚姻登記所へ必要書類を確認するよう案内しています。
香港で結婚した後、日本側にも婚姻届が必要
香港方式で日本人と外国人の婚姻が成立すると、香港政府からCertificate of Marriageが発行されます。しかし、日本人については香港で結婚しただけで日本の戸籍手続きまで完了するわけではありません。在香港日本国総領事館は、香港またはマカオ方式で成立した婚姻について、原則として婚姻成立日から3か月以内に婚姻届を提出するよう案内しています。
一方が外国人の場合には、婚姻届、外国人配偶者の国籍を証明する旅券などとその日本語訳、香港政府が発行したCertificate of Marriageとその日本語訳などが必要です。期限を過ぎた場合には遅延理由書が必要となるため、香港での結婚後は日本側の手続きまで続けて準備することが大切です。
香港人配偶者が日本で暮らす場合は在留資格を別途確認
香港人女性が日本人男性との結婚後、日本を生活の本拠として長期的に暮らす場合、婚姻手続きとは別に日本の在留資格を確認する必要があります。代表的なのが在留資格「日本人の配偶者等」です。出入国在留管理庁では、婚姻関係を確認する戸籍謄本などを含む必要書類を案内しています。
香港で法律上の婚姻が成立したからといって、日本での長期在留資格が自動的に認められるわけではありません。婚姻の成立と日本で生活するための在留審査は別制度として扱われます。
反対に日本人が香港で暮らす場合も自動的な居留権はない
香港入境事務處は、香港永久居民または香港居民と結婚したことだけを理由として、外国人配偶者に香港への入境や扶養家族としての滞在権が自動的に与えられるわけではないと明記しています。日本人男性が香港人女性との結婚後に香港へ移住する場合も、別途香港側の入境・滞在制度を確認する必要があります。
紅い靴からのポイント
日本人男性と香港人女性の国際結婚では、香港に住んでいなくても香港方式の結婚を選択できる点が大きな特徴です。一方で、実務上は「結婚予定通知」「15日以上の待機期間」「通知から3か月以内の婚姻」「Certificate of Marriageの取得」「日本への婚姻届」という流れを理解しておく必要があります。また、結婚後に日本で暮らすのか香港で暮らすのかによって、その後の在留・居留手続きは大きく変わります。特に離婚歴、国籍、現在の居住地、使用する証明書類によって必要書類が追加されることがあります。個別案件については香港入境事務處、在香港日本国総領事館、日本の市区町村、出入国在留管理庁などの公的機関へ最新情報を確認し、必要に応じて専門家へ相談してください。
重要ポイント
- 香港では婚姻当事者に香港居住要件はなく、国籍を問わず所定の手続きを経て結婚できる
- 結婚予定通知を提出してから原則15日以上経過した後に婚姻でき、通知から3か月以内に婚姻しなければ手続きは失効する
- 香港方式で婚姻した日本人は、原則として婚姻成立から3か月以内に日本側へ婚姻届を提出し、長期居住については別途在留・居留手続きが必要
出典
- Hong Kong Immigration Department – Registration of a Marriage
- Hong Kong Immigration Department – Marriage Registration FAQs
- GovHK – Getting Married
- 在香港日本国総領事館 届出(戸籍・国籍)
- 在香港日本国総領事館 各種証明
- 出入国在留管理庁 在留資格「日本人の配偶者等」
日本人と台湾人の国際結婚、2026年7月に婚姻登記案内を更新―日本と台湾の「両方の登録」が重要
台湾との国際結婚、2026年7月に最新案内が更新
日本人と台湾人の国際結婚を考えている方に確認しておきたいのが、日本と台湾それぞれの婚姻登録です。台北駐日経済文化代表処は2026年7月2日、結婚登記に関する案内を更新しています。国際結婚では、一方の地域で結婚手続きを済ませれば自動的にもう一方の戸籍にも反映されるとは限らないため、日本側と台湾側それぞれの手続きを整理して進める必要があります。
日本で先に結婚する場合
日本国内で日本人と台湾人が婚姻届を提出する場合、日本の市区町村が届出窓口となります。外国籍の方との婚姻では、国籍や個別事情によって必要書類が異なるため、提出予定の市区町村へ事前確認することが重要です。台湾人側については、婚姻できる状態であることを示す婚姻要件具備証明書、いわゆる独身証明書が必要となる場合があります。
台北駐日経済文化代表処の2026年2月更新の案内では、台湾に戸籍がある人が日本で婚姻要件具備証明書を申請する場合、申請書、台湾の戸籍謄本、台湾旅券などが必要とされています。台湾戸籍謄本は原則として発行から3か月以内で、記事欄を省略しないものとされています。自然人憑證を利用して取得した電子版戸籍謄本も受け付けると案内されています。
日本で結婚後、台湾側にも結婚登記を行う
日本の市区町村で婚姻届が受理された後、台湾側の戸籍にも婚姻を登録する手続きがあります。台北駐日経済文化代表処の結婚登記案内では、日本の市区町村が発行する婚姻届受理証明書、その写しや中国語訳、台湾側当事者の旅券、台湾戸籍謄本などが必要書類として案内されています。
つまり、日本で婚姻届を提出しただけで台湾の戸籍情報まで自動的に変更されるわけではありません。台湾側で結婚登記を済ませることによって、台湾の戸籍上にも婚姻関係が反映されます。将来的に台湾で居住手続きや家族関係を証明する場合にも、この登録が重要になります。
台湾で先に結婚する場合は何が必要か
台湾内政部戸政司の案内では、台湾人と外国人が台湾で婚姻登記する場合、外国人側の旅券または台湾当局が発行した居留証明、結婚に関する書面、婚姻状況証明などが必要となる場合があります。外国籍配偶者については、中国語氏名をどのように使用するかを届け出る「中文姓名声明書」も必要書類として案内されています。
外国人側の婚姻状況証明については、台湾の在外機関による認証などが必要になるケースがあり、台湾戸政司は婚姻状況証明の有効期間を原発行機関の発行日から6か月以内と案内しています。書類を早く取得しすぎると実際の手続き時に有効期限の問題が生じる可能性があるため、婚姻予定日から逆算して準備することが大切です。
台湾で一緒に暮らす場合は婚姻登記の次に居留手続き
日本人が台湾人配偶者と結婚し、その後台湾で長期間生活する場合、結婚そのものとは別に居留手続きが必要になります。台湾内政部移民署が2026年1月に更新した外国人の居留申請案内では、台湾に戸籍を持つ台湾人の配偶者として居留を申請する場合、台湾の戸政事務所で婚姻登記を済ませたことを証明する資料が必要とされています。
したがって、「結婚」と「台湾で暮らすための居留資格」は別々に考える必要があります。日本で結婚したとしても、台湾へ移住する予定がある場合には、台湾側の結婚登記を整えたうえで居留に必要な手続きを確認することになります。
反対に台湾人配偶者が日本で暮らす場合
台湾人配偶者が日本人と結婚した後、日本を生活の本拠にする場合には、日本の出入国在留管理制度上の手続きが必要です。代表的な在留資格が「日本人の配偶者等」です。在留資格認定証明書交付申請などは婚姻届とは別の手続きであり、婚姻しただけで日本での長期在留資格が自動的に付与されるわけではありません。
実務で確認したい5つのポイント
第一に、日本と台湾のどちらで先に婚姻を成立させるかを決めます。第二に、婚姻要件具備証明書や戸籍謄本などの有効期間を確認します。第三に、日本で婚姻後は台湾側の結婚登記まで行うことを忘れないようにします。第四に、書類の中国語訳や認証が必要かを提出先に確認します。第五に、結婚後に日本と台湾のどちらで生活するかによって、在留資格または居留資格の手続きを別途準備します。
特に外国籍当事者が関係する婚姻届について、日本の自治体も国籍によって必要書類が異なるため事前相談を推奨しています。提出予定の市区町村と台湾側の戸政事務所、台北駐日経済文化代表処の双方に確認してから書類を取得すると、再取得や手続きのやり直しを減らすことができます。
紅い靴からのポイント
日本人男性と台湾人女性の国際結婚では、「どちらの国・地域で結婚するか」だけではなく、「結婚後どこで暮らすか」まで考えて手続きの順番を決めることが重要です。日本で先に婚姻する場合は、日本の婚姻届、台湾への結婚登記、その後の居住地に応じた在留・居留手続きという流れを整理しておくと分かりやすくなります。台湾との国際結婚は比較的情報を確認しやすい一方、戸籍の有無、過去の婚姻歴、居住地などにより必要書類が変わる場合があります。個別案件については、提出先の市区町村、台北駐日経済文化代表処、台湾の戸政事務所・移民署、または日本の出入国在留管理庁などの公的機関へ最終確認してください。
重要ポイント
- 台北駐日経済文化代表処は2026年7月2日に日本で婚姻した台湾人の台湾側結婚登記に関する案内を更新している
- 日本で婚姻届が受理されても台湾の戸籍へ自動反映されるわけではなく、台湾側の結婚登記を確認する必要がある
- 結婚後に台湾または日本で長期生活する場合、婚姻登記とは別に居留資格または在留資格の手続きが必要になる
出典
- 台北駐日経済文化代表処 結婚登記説明
- 台北駐日経済文化代表処 婚姻要件具備証明書(独身証明書)
- 台湾内政部戸政司 結婚登記
- 台湾内政部移民署 外国人の居留・延期・居留事由変更申請案内
- 新宿区 婚姻届
- 出入国在留管理庁 在留資格「日本人の配偶者等」