香港人との結婚後、日本人配偶者は香港で働ける?2026年最新「扶養家族ビザ」の条件を確認

香港人と結婚した日本人が香港で暮らすには

日本人男性と香港人女性が結婚し、香港を夫婦の生活拠点にする場合、結婚しただけで日本人配偶者に香港での長期居住権が自動的に与えられるわけではありません。香港入境事務處は2026年4月16日に扶養家族としての居留制度「Residence as Dependants」の案内を更新しており、香港永久居民など一定の資格を持つ人の配偶者は、所定の条件を満たしたうえでビザ・入境許可を申請する仕組みとなっています。

香港永久居民の配偶者は申請対象になり得る

香港入境事務處によると、スポンサーが香港永久居民、または在留期限の制限を受けない香港居民である場合、その法律上の配偶者は扶養家族として香港居留を申請できます。また、香港で就労する専門人材や一部の人材受入れ制度などで在留する人の配偶者についても、制度ごとの条件に従って扶養家族として申請できる場合があります。

一方、婚約者や単なる同居パートナーは、通常の法律上の配偶者と同じ扱いにはなりません。日本人男性と香港人女性が将来香港で生活する予定であれば、婚姻成立前と成立後では利用できる制度が異なることを理解しておく必要があります。

結婚証明書だけではなく「真正な関係」も確認される

扶養家族の申請では、申請者とスポンサーとの真正な関係を示す合理的な証明が必要とされています。香港入境事務處は、婚姻証明書などのほか、必要に応じて家族写真やその他の関係資料を求めることがあります。つまり、法律上の婚姻証明書を提出すれば必ず許可されるという制度ではなく、個別案件ごとに審査されます。

虚偽の申告や資料提出は重大な問題となるため、婚姻日、同居状況、住所、職業などの情報は事実に基づいて正確に申告することが重要です。

香港人側には生活費と住居を支える能力が必要

香港永久居民などが外国人配偶者を扶養家族として呼び寄せる場合、スポンサーが配偶者を生活保護水準を十分上回る状態で扶養でき、香港で適切な住居を提供できることも条件とされています。

申請資料としては、スポンサーの香港身分証明書のほか、銀行残高、預金通帳、税務資料、給与明細などの経済状況を示す書類、賃貸関係書類など住居を確認する資料が案内されています。国際結婚後に香港へ移住する場合は、婚姻手続きだけではなく、家計と住居を事前に準備しておくことが重要です。

申請はオンライン、標準的な審査期間は約6週間

香港入境事務處では、扶養家族としての居留申請をオンラインで提出できます。申請者の写真、旅券、婚姻証明書など関係を証明する資料と、スポンサー側の身分証明、経済状況、住居関係資料などをアップロードします。

必要書類と所定の費用がそろってから、通常の処理期間は約6週間と案内されています。ただし、これは標準的な目安であり、申請内容や追加資料の有無などによって期間が長くなる可能性があります。また条件を満たしていても許可が自動的に保証されるものではなく、香港入境事務處が個別に判断します。

大きな特徴は「配偶者ビザで就労できる」こと

香港の扶養家族制度で日本人配偶者にとって重要なのが就労の扱いです。香港永久居民や在留期限の制限を受けない居民、香港で就労する一定の専門人材などの扶養家族として認められた配偶者については、香港入境事務處は原則として香港での就労を禁止していません。

そのため、日本人男性が香港人女性と結婚して香港へ移住した場合、香港永久居民である妻などの扶養家族として適切な居留資格を取得すれば、別途一般的な就労ビザを取得せずに働ける可能性があります。ただし、スポンサーが留学生として香港に滞在しているケースなどでは扶養家族の就労に制限があり、事前の許可が必要となる場合があります。スポンサーの在留資格によって条件が異なる点には注意が必要です。

居留期間はスポンサーの身分によって異なる

スポンサーが香港永久居民または在留期限の制限を受けない香港居民の場合、配偶者の居留期間更新は通常「3年+3年」といったパターンで許可されることがあります。一方、スポンサー自身が就労ビザや人材受入れ制度などによる期間限定の在留者である場合、扶養家族の在留期間も原則としてスポンサーの在留期限と連動します。

結婚後も婚姻関係が継続していること、スポンサーが実際に香港居民として香港で生活していることなどが更新審査で重要になります。婚姻関係やスポンサーの状況に大きな変化があった場合は、更新に影響する可能性があります。

7年間の通常居住で香港永久居民を申請できる可能性

香港入境事務處は、扶養家族として香港に入境し、香港で7年以上継続して通常居住した人について、法律上の条件を満たせば香港の居留権、いわゆる永久居民資格を申請できる可能性があると案内しています。

ただし、単純に7年間ビザを持っていれば自動的に永久居民になるわけではありません。「通常居住」に該当するかなど、香港法上の要件について審査があります。長期間香港で生活する予定の国際結婚家庭にとっては、将来設計の一つとして確認しておきたい制度です。

中国本土出身の香港人との結婚では特に確認が必要

香港人女性といっても、香港永久居民、期間限定の香港居民、中国本土住民など法的な身分はさまざまです。香港の扶養家族制度ではスポンサーの身分によって対象者や申請方法が異なります。そのため、相手が香港に住んでいるという事実だけでは判断せず、香港永久性居民身份證を持っているのか、どの在留資格で香港に滞在しているのかを確認することが重要です。

日本側の婚姻手続きも忘れない

香港方式で婚姻した日本人については、日本の戸籍にも婚姻事実を反映する手続きが必要です。在香港日本国総領事館や日本の市区町村を通じて、原則として外国方式で成立した婚姻を日本側へ届け出ます。香港での扶養家族ビザと日本の婚姻届は別の制度ですので、それぞれ手続きを行う必要があります。

紅い靴からのポイント

日本人男性と香港人女性の国際結婚では、結婚後に「日本で暮らすのか、香港で暮らすのか」によって必要な在留手続きが大きく変わります。香港永久居民などの配偶者として香港へ移住する場合、日本人配偶者は扶養家族として居留申請ができ、許可後は原則として香港で働くことも可能です。一方、真正な婚姻関係、スポンサーの経済力、住居なども審査され、婚姻証明書だけで自動的に居留資格が認められる制度ではありません。申請条件はスポンサーの香港での身分によって異なりますので、結婚前に相手の香港身分証明や在留資格を確認しておくことをおすすめします。個別案件については香港入境事務處、在香港日本国総領事館、日本の市区町村などの公的機関へ最新情報を確認し、複雑な事情がある場合には香港の移民法務に詳しい専門家へ相談してください。

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日本人は2026年末まで中国へ30日以内ビザ免除、日中国際結婚の「親族訪問」がより利用しやすく

日本人の中国ビザ免除、2026年末まで継続

日本人男性と中国人女性の国際結婚や交際を考える人にとって、中国へ渡航しやすい環境が2026年も続いています。中国政府は、日本の一般旅券を持つ人に対する一方的なビザ免除措置を2026年12月31日24時まで延長しています。在中国日本国大使館も2025年11月4日、この延長措置を日本語で案内しています。

30日以内なら「親族訪問」もビザ不要

今回のビザ免除は観光だけを対象にした制度ではありません。対象となる目的は、商業、観光、親族・友人訪問、交流訪問、トランジットなどで、1回の滞在が30日以内であれば一般旅券を使ってビザなしで中国へ入国できます。

そのため、日本人男性が中国人女性と結婚した後、中国に住む妻の両親や親族を訪問する場合にも、条件を満たせばビザ免除を利用できます。婚約中や交際中で、相手の家族と会うため中国を訪れる場合も、友人・親族訪問などの対象目的に該当し得ます。

国際結婚では「相手の家族に会う」機会が重要

日中国際結婚では、日本国内だけで交際を進めるのではなく、中国に住む相手の家族と実際に会う機会を持つことも重要です。結婚後にどちらの国で生活するのか、両親との関係、帰省頻度、将来の介護、子どもの言語教育など、国境を越えた家族関係について具体的に話し合うきっかけになります。

30日以内の短期訪問について事前の中国ビザ取得が不要であることは、日本人側が中国へ渡航する際の手続き負担を軽くします。特に初めて相手の実家を訪問する場合や、結婚前に家族へ挨拶する場合には利用しやすい制度です。

一般旅券が条件、すべての渡航目的が対象ではない

注意したいのは、ビザ免除の対象が有効な一般旅券を持つ日本人であり、すべての中国渡航がビザ不要になるわけではないことです。中国で就労する場合、長期留学をする場合、30日を超えて滞在する場合など、ビザ免除条件を満たさない目的では事前に適切な中国ビザを取得する必要があります。

また、結婚後に日本人配偶者が中国で長期生活する場合も、30日以内の親族訪問とは別の話です。中国で継続的に生活するためには、渡航目的や滞在期間に応じた査証・居留許可などを確認する必要があります。

2026年は短期ビザ申請の指紋採取も緩和

ビザ免除の条件に当てはまらず、中国ビザを取得する必要がある人についても、2026年は申請手続きの一部が緩和されています。中国の在日公館は、2026年12月31日まで、滞在期間180日以内の短期ビザ申請者について原則として指紋採取を免除すると案内しています。

一方、D、J1、Q1、S1、X1、Zなど、中国入国後に居留許可の取得が必要となる長期滞在関係のビザでは、引き続き規定に基づき指紋採取が必要とされています。中国人配偶者と中国へ長期移住する場合は、短期訪問と長期居住の手続きを区別することが重要です。

入境カードも事前オンライン入力が可能に

中国では2025年11月20日から、外国人入境カードを渡航前にオンラインで入力できる仕組みも導入されています。中国国家移民管理局のウェブサイトや「移民局12367」アプリ、WeChat・Alipayのミニプログラムなどから入境情報を入力できます。

オンライン入力ができない場合でも、到着した中国の空港・港などでQRコードや現場の端末を利用して入力するほか、紙の外国人入境カードを利用できる仕組みが残されています。そのため、オンライン入力ができなければ入国できないという制度ではありません。

ビザ免除でも入国が自動的に保証されるわけではない

ビザ免除は「ビザを事前取得しなくても入国審査を受けられる制度」であり、無条件で中国への入国が保証される制度ではありません。中国側の公式FAQでは、入国時に渡航目的を確認される場合があり、目的に応じて航空券、宿泊先、招待者との関係などを示す資料を準備しておくことが推奨されています。

中国人配偶者や交際相手の自宅へ滞在する場合には、相手の氏名、住所、電話番号などをすぐ確認できるようにしておくと安心です。

30日を超える可能性がある場合は事前確認を

国際結婚の場合、結婚式の準備、親族との交流、旧正月などの長期帰省で予定より滞在期間が長くなることがあります。ビザ免除で認められるのは原則30日以内です。最初から30日を超える予定がある場合には、渡航前に適切な中国ビザを取得する必要があります。

また、中国国内で婚姻登記、就労、留学など別の活動を行う予定がある場合には、その活動がビザ免除の範囲内なのかを中国の出入境管理当局や中国大使館・総領事館に確認してください。

紅い靴からのポイント

日本人男性と中国人女性の国際結婚では、二人だけでなく双方の家族との関係づくりも重要です。2026年末まで、日本人の一般旅券所持者は親族・友人訪問などを目的として30日以内中国へ滞在する場合、ビザ免除を利用できます。これにより、結婚前の家族への挨拶、結婚後の帰省、親族との交流などは以前より行いやすくなっています。一方、中国で長期生活する場合や就労・長期留学をする場合は別のビザ・居留制度が関係します。また、ビザ免除政策は2026年12月31日までとされているため、2027年以降の扱いは改めて確認する必要があります。実際の渡航前には、中国大使館・総領事館、中国国家移民管理局、在中国日本国大使館などの最新情報を確認し、個別事情がある場合は公的機関または専門家へ確認してください。

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外国人配偶者の「在留カード+マイナンバーカード」が1枚に、2026年6月開始の特定在留カードとは

2026年6月、外国人の身分証が大きく変わった

日本で暮らす外国人に関係する大きな制度変更として、2026年6月14日から「特定在留カード」の運用が始まりました。これは在留カードとマイナンバーカードの機能を一体化したカードです。日本人男性と結婚し、在留資格「日本人の配偶者等」で日本生活を始めた中国・台湾・香港・シンガポールなど出身の配偶者にとっても関係する新制度です。

これまで中長期在留外国人は、在留資格や在留期間などを証明する在留カードと、行政手続きやマイナ保険証などに使うマイナンバーカードを別々に管理するのが一般的でした。特定在留カードを取得すると、1枚のカードが両方の性質を持つことになります。

誰でも申請できるわけではない

出入国在留管理庁によると、特定在留カードの交付を申請できるのは、住民基本台帳に記録されている中長期在留者などです。したがって、日本に住所を置き、「日本人の配偶者等」として中長期在留している外国人配偶者は、条件を満たせば対象になり得ます。

一方、短期滞在で日本を訪問している人など、中長期在留者に該当しない外国人が同じように取得できる制度ではありません。結婚したという事実だけで対象になるのではなく、日本での在留資格や住民登録の状況を確認する必要があります。

在留カードとマイナンバーカードの機能を1枚に

特定在留カードは、在留カードとしての在留資格・在留期間などの証明機能と、マイナンバーカードとしての本人確認や電子証明書などの機能を併せ持ちます。外国人配偶者が日本で生活する場合、銀行口座、携帯電話、行政手続き、医療、税・社会保障などさまざまな場面で本人確認書類を利用するため、カードを1枚にまとめられることは日常生活上の利便性向上につながります。

デジタル庁は、法改正の目的として、在留資格に関する許可などの行政事務でもマイナンバーを利用できるようにし、添付書類の省略や外国人住民の利便性向上を進めることを挙げています。

申請は2026年6月14日から開始

出入国在留管理庁によると、制度の運用開始日は2026年6月14日です。地方出入国在留管理局では翌開庁日から具体的な申請受付が行われています。また、条件を満たす場合には市区町村で転入届などを行う際に特定在留カード交付申請を行える仕組みも設けられています。

在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請など、在留カードに関する一定の手続きとあわせて特定在留カードの交付を申請できる場合もあります。どの窓口で申請するかは手続き内容によって異なるため、事前確認が必要です。

すぐに発行されるとは限らない

従来の在留カードは、在留期間更新などの手続きで即日交付されるケースがありますが、特定在留カードについて出入国在留管理庁は、申請から交付まで最短でも2週間前後を要すると案内しています。申請方法や状況によってはさらに時間がかかる可能性があります。

そのため、海外旅行、銀行手続き、転居など身分証明書が必要となる予定がある場合には、カードの交付時期を考慮して申請することが大切です。

初回の一定の申請では手数料不要

出入国在留管理庁の案内では、2026年6月14日以降の最初の一定の在留関係手続きにあわせて特定在留カードの交付を受ける場合、手数料は不要とされています。一方、後から本人の希望で交換する場合などには手数料が発生することがあります。

具体的な料金は申請理由や手続きによって異なるため、「一体化カードはすべて無料」と考えず、実際の申請時点で最新の料金表を確認してください。

在留期間の更新後には有効期限にも注意

外国人配偶者の場合、在留資格「日本人の配偶者等」には在留期間があります。在留期間更新許可を受けると、在留資格に関する情報も新しい内容になります。特定在留カードは在留カードとマイナンバーカード双方の性質を持つため、従来以上にカードの有効期限管理が重要になります。

出入国在留管理庁は、手続きの状況によって市区町村でマイナンバーカード機能に関する有効期間変更手続きが必要になるケースも案内しています。在留期間更新許可を受けたから、すべての情報や電子証明書が何もしなくても自動的に更新されるとは限りません。

住所が変わったときも届出は必要

カードが一体化されたからといって、外国人住民の住所変更の届出義務そのものがなくなるわけではありません。日本人との結婚後に新居へ転居した場合などは、市区町村への転入・転居届など、従来必要だった住居地関係の手続きを適切に行う必要があります。

国際結婚では、結婚後すぐに夫婦の新居へ引っ越すケースも多いため、婚姻届、在留資格、住民登録、健康保険、マイナンバー関係の手続きをまとめて確認しておくとスムーズです。

16歳未満の在留カードの写真ルールも変更

2026年6月14日以降に交付される新様式の在留カード等では、顔写真に関するルールも変更されました。従来は16歳未満について顔写真が表示されない取扱いでしたが、新制度では原則として1歳以上の人について顔写真が必要となっています。国際結婚後に外国籍の子どもと日本で生活する家庭では、子どもの在留手続きにも関係する変更です。

国際結婚後の新生活で確認したいこと

日本人男性と外国人女性が結婚し、日本で暮らし始める場合は、婚姻届や「日本人の配偶者等」の取得だけでなく、住民票、マイナンバー、健康保険、年金、銀行口座、携帯電話など、多くの生活手続きが必要です。特定在留カードは、その中でも本人確認書類を整理しやすくする新しい選択肢です。

ただし、申請対象、申請場所、交付までの日数、有効期限、手数料などは個人の在留状況や申請内容によって異なります。現在持っている在留カードとマイナンバーカードをすぐに交換する必要があるのかについても、個別状況を確認して判断することが大切です。

紅い靴からのポイント

2026年6月から始まった特定在留カードは、日本で生活する外国人配偶者にとって実務上重要な新制度です。特に中国・台湾・香港・シンガポールなどから日本へ移住した配偶者は、結婚後の行政手続きで在留カードとマイナンバーカードを頻繁に使用します。一体化によってカード管理が簡単になる一方、在留期間更新時の有効期限や住所変更など、必要な届出までなくなるわけではありません。日本で新生活を始める際は、在留資格、住民登録、マイナンバー、社会保険を一つの流れとして整理することをおすすめします。個別の申請可否や手続きについては、地方出入国在留管理局、市区町村、マイナンバー総合窓口などの公的機関へ最新情報を確認し、複雑な事情がある場合は行政書士などの専門家への相談も検討してください。

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2026年10月「106万円の壁」撤廃へ、日本人と結婚した外国人配偶者の働き方はどう変わる?

2026年10月、「106万円の壁」が変わる

日本人男性と結婚して日本で新生活を始める中国・台湾・香港など出身の女性にとって、結婚後の仕事と社会保険は重要な生活設計の一つです。厚生労働省と日本年金機構の最新案内によると、短時間労働者が健康保険・厚生年金保険へ加入する際に設けられている「所定内賃金が月額8.8万円以上」という賃金要件は、2026年10月に撤廃される予定です。年収換算で約106万円だったことから、一般に「106万円の壁」と呼ばれてきた基準です。

現在はどのようなルールなのか

2026年8月現在、厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業などで働く短時間労働者については、原則として週の所定労働時間が20時間以上、学生ではないこと、所定内賃金が月額8.8万円以上であることなどを満たすと、健康保険・厚生年金保険の加入対象になります。ただし日本年金機構は、全国の最低賃金水準との関係から、最低賃金以上で週20時間以上働けば現在でも月額8.8万円以上になるため、この賃金要件を2026年10月に撤廃予定と案内しています。

外国人配偶者にも同じ社会保険ルールが関係する

社会保険の加入条件は、原則として日本人か外国人かだけで分けられる制度ではありません。日本で適法に働き、対象となる事業所・労働条件に該当すれば、外国人配偶者も健康保険・厚生年金保険の加入対象となります。日本人男性と結婚した中国人女性などが、日本でパートやアルバイトを始める場合にも関係する制度です。

特に在留資格「日本人の配偶者等」を持つ人について、出入国在留管理庁は入管法上、就労する職種に制限がないと案内しています。技術・人文知識・国際業務などの就労資格とは異なり、一般的な事務、販売、飲食、サービス業などを含め、在留資格上の職種制限を受けずに働くことができます。ただし、就労と社会保険加入は別の制度ですので、勤務条件に応じて会社側で社会保険の加入判定が行われます。

2026年10月以降は「収入額」より週20時間が重要に

今回の変更後は、現在の月額8.8万円という賃金基準がなくなるため、短時間労働者について「年収106万円を超えないように働く」という考え方は社会保険加入の判断では意味が薄くなります。厚生労働省は、配偶者の扶養の範囲内で働く人についても、雇用契約などにおける週の所定労働時間が20時間以上であれば、対象となる企業では健康保険・厚生年金保険に加入することになると説明しています。

一方、2026年10月にすべての会社で一斉に「週20時間以上なら加入」となるわけではありません。企業規模要件は段階的に縮小される予定で、現在は原則51人以上の企業が対象です。2027年10月から36人以上、2029年10月から21人以上、2032年10月から11人以上へ広がり、2035年10月には企業規模要件が撤廃される予定です。

「130万円の壁」が同時になくなるわけではない

注意したいのは、「106万円の壁」と「130万円の壁」は同じ制度ではないことです。厚生労働省は、会社員などの配偶者として健康保険の被扶養者・国民年金第3号被保険者になっている人について、勤務先の社会保険加入対象とならない場合でも、一定以上の収入になると扶養から外れる可能性があると案内しています。2026年10月に撤廃予定なのは短時間労働者の月額8.8万円という賃金要件であり、扶養制度全体がなくなるわけではありません。

社会保険に加入すると何が変わる?

配偶者の扶養から外れて自分の勤務先の健康保険・厚生年金保険へ加入すると、給与から本人負担分の社会保険料が差し引かれるため、短期的には手取り額が減る場合があります。一方、厚生年金へ加入することで将来受け取る年金額が増えるほか、健康保険では病気やけがで仕事を休んだ場合の傷病手当金、出産時の出産手当金など、被扶養者にはない給付を受けられる場合があります。

国際結婚後の仕事探しで確認したいこと

外国人配偶者が日本で働き始める場合には、給与額だけを見るのではなく、週の契約労働時間、勤務先の従業員規模、雇用期間、社会保険加入の有無を採用時に確認することが重要です。また、「日本人の配偶者等」以外の在留資格で日本に滞在している場合には、働ける職種や時間に別の制限がある可能性があります。必ず在留カードに記載された在留資格・就労制限を確認してください。

結婚後の家計にも影響する

日本人男性と外国人女性が結婚して日本で暮らす場合、配偶者が働くかどうかは世帯収入だけでなく、健康保険、年金、税金、出産・育児の給付にも関係します。これまで「扶養の範囲で働くために年収を抑える」という選択をしていた家庭でも、制度変更後は週20時間という労働時間を意識した働き方の検討がより重要になります。

紅い靴からのポイント

国際結婚では、婚姻届や配偶者ビザを取得したところで手続きが終わるわけではありません。日本で新生活を始めれば、仕事、健康保険、年金、税金、住居など日常生活の制度が関係してきます。2026年10月には「106万円の壁」と呼ばれる賃金要件が撤廃予定で、外国人配偶者がパート・アルバイトとして働く家庭にも影響があります。特に「日本人の配偶者等」は職種に関する就労制限がないため、働き方の選択肢は広い一方、社会保険については勤務時間や勤務先規模を確認する必要があります。実際の加入判定は勤務先や個人の勤務条件によって異なるため、日本年金機構、年金事務所、勤務先の人事・労務担当者などへ確認してください。在留資格について不明点がある場合は出入国在留管理庁へ確認し、税務や社会保険を含む複雑な個別案件では税理士、社会保険労務士、行政書士などの専門家への相談も検討してください。

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