外国人向け「日本語・生活学習プログラム」創設を政府が検討、日本人の外国籍配偶者にも将来影響する可能性
2026年7月、外国人向けの新しい学習制度案が公表
日本人男性と中国・台湾・香港・シンガポールなど出身の女性が結婚し、日本で生活する場合に将来関係する可能性のある新しい政策が動き始めています。出入国在留管理庁は2026年7月3日、外国人が日本語や日本の制度・ルールなどを学ぶプログラムについて、法務大臣政務官プロジェクトチームの報告書を公表しました。現時点では新しい義務がすでに施行されたわけではなく、今後の制度設計に向けた検討段階です。
背景には2026年1月の政府方針
政府は2026年1月23日に「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を取りまとめました。その中で、日本に在留する外国人について、日本語だけでなく、日本の制度や生活上のルールなどを体系的に学ぶプログラムの創設を検討する方針が示されています。帯同家族を含め、外国人が日本で生活するために必要な知識を身につける機会を整備することが目的とされています。
単なる日本語教室ではない
今回検討されているプログラムの特徴は、日本語能力だけを学ぶ仕組みではないことです。日本で生活するうえで必要となる行政手続き、税・社会保障、生活上のルール、地域社会での生活などを含め、日本語と生活知識を組み合わせて学習する方向が示されています。
出入国在留管理庁はすでに外国人生活支援ポータルサイトを運営し、「生活・就労ガイドブック」や生活オリエンテーション動画を多言語で提供しています。今回の構想は、こうした既存の情報提供をさらに体系的な学習制度へ発展させることを検討するものと位置付けられます。
訪日前からオンラインで学べる仕組みも検討
報告書では、ICTを利用し、日本へ入国する前から学習できる環境をつくる方向も検討されています。国際結婚の場合、中国や台湾などに住んでいる外国人配偶者が日本へ移住する前から、日本語や日本での生活ルールを学べる仕組みが整えば、新生活を始める際の準備に役立つ可能性があります。
結婚後に必要となる住民登録、健康保険、年金、税金、銀行、住居、子育てなど、日本で生活するには多くの制度があります。外国人配偶者が来日して初めてすべてを知るのではなく、来日前から基本的な仕組みを理解できる環境を整えるという考え方です。
在留審査への活用も今後の検討課題
今回特に注目されているのが、プログラムの受講状況などを将来の在留審査にどのように活用するかという点です。政府の総合的対応策では、在留資格や永住許可などについて、日本語や日本の制度・ルール等を学習するプログラムの受講を条件とすることを含めて検討する方向が示されています。
ただし、2026年8月現在、日本人と結婚した外国人が在留資格「日本人の配偶者等」を取得するために、新しい日本語試験や今回の学習プログラムを受講しなければならない制度が導入されたわけではありません。出入国在留管理庁が現在公表している「日本人の配偶者等」の申請書類では、日本人配偶者の戸籍謄本、外国で発行された婚姻証明書、質問書、生活費を証明する資料などが案内されています。
日本人の外国籍配偶者にどこまで適用されるかは未確定
政府方針は日本に在留する外国人を広く視野に入れていますが、最終的にどの在留資格を対象とするのか、日本人の外国籍配偶者についてどの程度受講を求めるのか、受講を義務化するのか、在留期間更新や永住審査でどのように評価するのかといった具体的な制度はまだ確定していません。
そのため、「今後、日本人と結婚する外国人には日本語試験が必須になる」と現段階で断定することはできません。制度の目的、対象者、学習時間、費用、受講方法、試験の有無などは今後の政府の検討を待つ必要があります。
国際結婚を考える人には日本語学習がより重要に
制度化の有無にかかわらず、日本へ移住する外国人配偶者にとって日本語を学ぶことは新生活を安定させるうえで大きな意味があります。病院で症状を説明する、市区町村の通知を読む、銀行や住宅の契約内容を理解する、子どもの学校や保育園と連絡を取るなど、日常生活の多くの場面で日本語が必要になります。
一方、日本人側も外国人配偶者だけに適応を求めるのではなく、行政書類を一緒に確認したり、必要な場合には外国語相談窓口を利用したりすることが重要です。国際結婚では、双方が相手の言語や文化を理解しようとする姿勢が新生活を支える基盤になります。
現在利用できる公的な外国人生活支援
出入国在留管理庁の「外国人生活支援ポータルサイト」では、日本で生活する外国人向けに、在留手続き、市区町村での届出、雇用・労働、出産・子育て、教育、医療、年金・福祉、税金、住宅、防災など幅広い情報を提供しています。生活・就労ガイドブックは複数言語で用意されているため、日本へ移住する予定の外国人配偶者が事前学習に利用できます。
国際結婚後に日本へ移住する予定が決まった段階で、こうした公的資料を夫婦で確認しておけば、来日後の行政手続きを進めやすくなります。
今後確認したいポイント
今後は、新プログラムの正式名称、開始時期、対象となる在留資格、受講方法、日本語能力の基準、受講費用、在留期間更新や永住許可との関係が重要な確認事項となります。政府の検討段階にある制度については、報道やSNSだけで判断せず、出入国在留管理庁や法務省が公表する正式な情報を確認することが大切です。
紅い靴からのポイント
2026年7月に公表された「日本語・生活学習プログラム」の報告書は、日本で暮らす外国人に対する政策が、在留資格の取得だけでなく「日本でどのように生活していくか」という段階まで重視する方向に進んでいることを示しています。日本人男性と中華圏の女性が結婚し、日本を生活拠点にする場合も、日本語、行政制度、税金、社会保険、住居、医療、子育てなどを結婚前から一緒に学んでおくことは有益です。ただし、2026年8月現在、新プログラムは検討段階であり、日本人の外国籍配偶者に新たな日本語試験や受講義務がすでに課されているわけではありません。今後制度が具体化した場合には対象者や在留審査との関係が変更される可能性がありますので、出入国在留管理庁などの公的情報を確認してください。個別の在留資格・永住申請については地方出入国在留管理局または専門家へ確認することをおすすめします。
重要ポイント
- 出入国在留管理庁は2026年7月3日、外国人が日本語と日本の制度・生活ルールを体系的に学ぶ新プログラムに関する検討報告書を公表した
- 政府はプログラムの受講状況を将来の在留審査などに活用することも含めて検討しているが、具体的な対象者・開始時期・義務化の範囲はまだ確定していない
- 2026年8月現在、「日本人の配偶者等」を取得するために今回の新プログラム受講や新たな日本語試験が義務化されたわけではない
出典
- 出入国在留管理庁 外国人が日本語や我が国の制度・ルール等を学習するプログラムの検討に関する法務大臣政務官PT報告書
- 法務省 法務大臣閣議後記者会見の概要 2026年7月3日
- 内閣官房 外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議
- 出入国在留管理庁 外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策
- 出入国在留管理庁 外国人生活支援ポータルサイト
- 出入国在留管理庁 在留資格「日本人の配偶者等」
外国人配偶者の「在留カード+マイナンバーカード」が1枚に、2026年6月開始の特定在留カードとは
2026年6月、外国人の身分証が大きく変わった
日本で暮らす外国人に関係する大きな制度変更として、2026年6月14日から「特定在留カード」の運用が始まりました。これは在留カードとマイナンバーカードの機能を一体化したカードです。日本人男性と結婚し、在留資格「日本人の配偶者等」で日本生活を始めた中国・台湾・香港・シンガポールなど出身の配偶者にとっても関係する新制度です。
これまで中長期在留外国人は、在留資格や在留期間などを証明する在留カードと、行政手続きやマイナ保険証などに使うマイナンバーカードを別々に管理するのが一般的でした。特定在留カードを取得すると、1枚のカードが両方の性質を持つことになります。
誰でも申請できるわけではない
出入国在留管理庁によると、特定在留カードの交付を申請できるのは、住民基本台帳に記録されている中長期在留者などです。したがって、日本に住所を置き、「日本人の配偶者等」として中長期在留している外国人配偶者は、条件を満たせば対象になり得ます。
一方、短期滞在で日本を訪問している人など、中長期在留者に該当しない外国人が同じように取得できる制度ではありません。結婚したという事実だけで対象になるのではなく、日本での在留資格や住民登録の状況を確認する必要があります。
在留カードとマイナンバーカードの機能を1枚に
特定在留カードは、在留カードとしての在留資格・在留期間などの証明機能と、マイナンバーカードとしての本人確認や電子証明書などの機能を併せ持ちます。外国人配偶者が日本で生活する場合、銀行口座、携帯電話、行政手続き、医療、税・社会保障などさまざまな場面で本人確認書類を利用するため、カードを1枚にまとめられることは日常生活上の利便性向上につながります。
デジタル庁は、法改正の目的として、在留資格に関する許可などの行政事務でもマイナンバーを利用できるようにし、添付書類の省略や外国人住民の利便性向上を進めることを挙げています。
申請は2026年6月14日から開始
出入国在留管理庁によると、制度の運用開始日は2026年6月14日です。地方出入国在留管理局では翌開庁日から具体的な申請受付が行われています。また、条件を満たす場合には市区町村で転入届などを行う際に特定在留カード交付申請を行える仕組みも設けられています。
在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請など、在留カードに関する一定の手続きとあわせて特定在留カードの交付を申請できる場合もあります。どの窓口で申請するかは手続き内容によって異なるため、事前確認が必要です。
すぐに発行されるとは限らない
従来の在留カードは、在留期間更新などの手続きで即日交付されるケースがありますが、特定在留カードについて出入国在留管理庁は、申請から交付まで最短でも2週間前後を要すると案内しています。申請方法や状況によってはさらに時間がかかる可能性があります。
そのため、海外旅行、銀行手続き、転居など身分証明書が必要となる予定がある場合には、カードの交付時期を考慮して申請することが大切です。
初回の一定の申請では手数料不要
出入国在留管理庁の案内では、2026年6月14日以降の最初の一定の在留関係手続きにあわせて特定在留カードの交付を受ける場合、手数料は不要とされています。一方、後から本人の希望で交換する場合などには手数料が発生することがあります。
具体的な料金は申請理由や手続きによって異なるため、「一体化カードはすべて無料」と考えず、実際の申請時点で最新の料金表を確認してください。
在留期間の更新後には有効期限にも注意
外国人配偶者の場合、在留資格「日本人の配偶者等」には在留期間があります。在留期間更新許可を受けると、在留資格に関する情報も新しい内容になります。特定在留カードは在留カードとマイナンバーカード双方の性質を持つため、従来以上にカードの有効期限管理が重要になります。
出入国在留管理庁は、手続きの状況によって市区町村でマイナンバーカード機能に関する有効期間変更手続きが必要になるケースも案内しています。在留期間更新許可を受けたから、すべての情報や電子証明書が何もしなくても自動的に更新されるとは限りません。
住所が変わったときも届出は必要
カードが一体化されたからといって、外国人住民の住所変更の届出義務そのものがなくなるわけではありません。日本人との結婚後に新居へ転居した場合などは、市区町村への転入・転居届など、従来必要だった住居地関係の手続きを適切に行う必要があります。
国際結婚では、結婚後すぐに夫婦の新居へ引っ越すケースも多いため、婚姻届、在留資格、住民登録、健康保険、マイナンバー関係の手続きをまとめて確認しておくとスムーズです。
16歳未満の在留カードの写真ルールも変更
2026年6月14日以降に交付される新様式の在留カード等では、顔写真に関するルールも変更されました。従来は16歳未満について顔写真が表示されない取扱いでしたが、新制度では原則として1歳以上の人について顔写真が必要となっています。国際結婚後に外国籍の子どもと日本で生活する家庭では、子どもの在留手続きにも関係する変更です。
国際結婚後の新生活で確認したいこと
日本人男性と外国人女性が結婚し、日本で暮らし始める場合は、婚姻届や「日本人の配偶者等」の取得だけでなく、住民票、マイナンバー、健康保険、年金、銀行口座、携帯電話など、多くの生活手続きが必要です。特定在留カードは、その中でも本人確認書類を整理しやすくする新しい選択肢です。
ただし、申請対象、申請場所、交付までの日数、有効期限、手数料などは個人の在留状況や申請内容によって異なります。現在持っている在留カードとマイナンバーカードをすぐに交換する必要があるのかについても、個別状況を確認して判断することが大切です。
紅い靴からのポイント
2026年6月から始まった特定在留カードは、日本で生活する外国人配偶者にとって実務上重要な新制度です。特に中国・台湾・香港・シンガポールなどから日本へ移住した配偶者は、結婚後の行政手続きで在留カードとマイナンバーカードを頻繁に使用します。一体化によってカード管理が簡単になる一方、在留期間更新時の有効期限や住所変更など、必要な届出までなくなるわけではありません。日本で新生活を始める際は、在留資格、住民登録、マイナンバー、社会保険を一つの流れとして整理することをおすすめします。個別の申請可否や手続きについては、地方出入国在留管理局、市区町村、マイナンバー総合窓口などの公的機関へ最新情報を確認し、複雑な事情がある場合は行政書士などの専門家への相談も検討してください。
重要ポイント
- 2026年6月14日から、在留カードとマイナンバーカードの機能を一体化した「特定在留カード」の運用が開始された
- 住民基本台帳に記録された中長期在留者が対象で、「日本人の配偶者等」で日本に住む外国人配偶者も条件を満たせば申請対象になり得る
- カードが一体化されても、在留期間更新、住所変更、マイナンバーカード機能の有効期限変更など必要な手続きがすべて自動化されるわけではない
出典
- 出入国在留管理庁 特定在留カード交付申請について
- 出入国在留管理庁 在留カードとマイナンバーカードの一体化Q&A
- 出入国在留管理庁 新様式の在留カードの交付に係る顔写真の提出について
- デジタル庁 マイナンバー法等の一部を改正する法律案
- 出入国在留管理庁 在留資格「日本人の配偶者等」
日本人の配偶者の永住申請、2027年4月から「3年ビザ」の扱い変更へ―2026年中に確認したい新ルール
日本人の外国人配偶者にも関係する永住ルールの変更
日本人男性と結婚し、中国、台湾、香港、シンガポールなどから日本へ移住した外国人配偶者にとって、将来の生活設計で重要になるのが「永住許可」です。出入国在留管理庁は2026年2月24日、「永住許可に関するガイドライン」を改訂しました。特に注目したいのが、現在3年の在留期間を持つ人について、「最長の在留期間をもって在留している」という永住許可要件を満たすものとして扱う経過措置に期限が設けられたことです。
現在は3年の在留期間でも「最長」として扱われる
2026年8月現在、永住許可ガイドラインでは、2027年3月31日までの間、在留期間「3年」を持っている人については、永住許可要件の一つである「現に有している在留資格について最長の在留期間をもって在留していること」を満たすものとして取り扱うとしています。
在留資格「日本人の配偶者等」には複数の在留期間があります。このため現在3年の在留期間を持つ外国人配偶者が永住を検討している場合、今回の変更は申請時期を考えるうえで重要です。
2027年4月1日から取扱いが変わる
出入国在留管理庁は、2027年4月1日をもって、3年の在留期間を一律に「最長の在留期間」とみなしてきた取扱いを変更すると案内しています。一方、2027年3月31日時点で3年の在留期間を持っている人については、その在留期間中に処分を受ける場合など一定の条件のもと、初回に限る経過措置も示されています。
したがって、「2027年4月になった瞬間に、3年の在留期間を持つ人が全員永住申請できなくなる」と単純に考えるのも正確ではありません。現在持っている在留期間、有効期限、申請日、経過措置の適用関係によって判断が変わる可能性があるため、申請前に最新の入管案内を確認する必要があります。
日本人の配偶者には居住年数の特例がある
一般的な永住許可では、原則として引き続き10年以上日本に在留していることなどが求められます。しかし、日本人、永住者または特別永住者の配偶者については特例があります。最新ガイドラインでは、「実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上日本に在留していること」が永住許可の在留期間に関する特例として示されています。
たとえば中国人女性が日本人男性と結婚し、実際の夫婦生活が3年以上続いていて、日本に引き続き1年以上在留している場合には、原則10年という一般的な在留年数とは異なる特例を利用できる可能性があります。ただし、この年数を満たしただけで永住が自動的に認められるわけではありません。
「結婚3年+日本1年」で必ず永住できるわけではない
国際結婚では、「日本人と3年間結婚して日本に1年間住めば永住権が取れる」と理解されることがありますが、これは正確ではありません。この条件は永住許可の在留期間に関する特例であり、その他の審査条件も確認されます。
出入国在留管理庁は永住許可について、公的義務を適正に履行していることを重視しています。具体的には納税、公的年金、公的医療保険の保険料納付、入管法上の届出などについて、期限を守って適正に履行していることが確認されます。後から未納分をまとめて支払った場合でも、期限内に履行していなかった事実が審査上考慮されることがあります。
外国人配偶者本人だけでなく世帯の資料も重要
日本人の配偶者として永住許可を申請する際、出入国在留管理庁の申請案内では、所得や納税状況を示す住民税関係の資料、預貯金通帳の写しなどの資産資料、年金保険料や健康保険料の納付状況を確認する資料、身元保証書などが案内されています。申請人を扶養している日本人配偶者の所得・納税状況が必要になる場合もあります。
そのため、結婚後に永住申請を考えている夫婦は、申請直前になって資料を集めるだけではなく、日頃から税金、年金、健康保険の支払期限を守ることが重要です。
永住許可になると何が変わるのか
在留資格「日本人の配偶者等」では在留期限があり、期限が来るたびに在留期間更新許可申請が必要です。一方、永住者になれば在留期間の更新は不要になります。ただし在留カード自体には有効期間があるため、カードの更新手続きは必要です。また永住者は在留資格上の活動内容に制限がなく、婚姻関係を基礎とした在留資格から独立した地位になります。
ただし、永住許可を取得することと日本国籍を取得する「帰化」は別の制度です。永住者になっても国籍は変わりません。
国際結婚を予定している人が今から確認したいこと
第一に、現在の在留カードに記載された在留期間が1年、3年、5年などのどれなのかを確認します。第二に、実体を伴う婚姻生活が何年間続いているか、日本での継続在留期間が何年あるかを整理します。第三に、住民税、所得税、年金、健康保険などの支払いに遅れがないかを確認します。第四に、2027年4月以降に永住申請する場合には、3年在留期間についての経過措置が自分に適用されるかを確認することが重要です。
紅い靴からのポイント
日本人男性と中国・台湾・香港・シンガポールなど出身の女性が結婚し、日本で長期的な家庭生活を築く場合、「日本人の配偶者等」から永住者へ進むことは将来の選択肢の一つです。2026年2月のガイドライン改訂によって、特に3年の在留期間を持つ人は2027年3月31日という日付を意識する必要が出てきました。ただし永住審査は婚姻年数だけではなく、実際の婚姻生活、在留状況、公的義務の履行などを総合的に判断する制度です。結婚当初から税金、年金、健康保険、在留資格更新などを適切に管理しておくことが将来の永住申請にもつながります。個別の申請可否や経過措置の適用については、管轄する地方出入国在留管理局または出入国在留管理庁へ確認し、必要に応じて行政書士や弁護士などの専門家へ相談してください。
重要ポイント
- 2026年2月24日改訂の永住許可ガイドラインでは、在留期間3年を「最長の在留期間」とみなす現行の取扱いを2027年3月31日までとしている
- 日本人の配偶者には、実体を伴う婚姻生活3年以上かつ日本で引き続き1年以上在留という在留年数の特例があるが、それだけで永住が自動許可されるわけではない
- 永住申請では税金、公的年金、健康保険料などの公的義務を適正な期限内に履行しているかも重要なので、結婚後から継続的に管理することが大切
出典
- 出入国在留管理庁 永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)
- 出入国在留管理庁 永住許可(入管法第22条)
- 出入国在留管理庁 永住許可申請1(日本人・永住者・特別永住者の配偶者等)
- 出入国在留管理庁 在留資格「日本人の配偶者等」
- 出入国在留管理庁 在留期間更新許可申請
日本人と台湾人の国際結婚、2026年7月に婚姻登記案内を更新―日本と台湾の「両方の登録」が重要
台湾との国際結婚、2026年7月に最新案内が更新
日本人と台湾人の国際結婚を考えている方に確認しておきたいのが、日本と台湾それぞれの婚姻登録です。台北駐日経済文化代表処は2026年7月2日、結婚登記に関する案内を更新しています。国際結婚では、一方の地域で結婚手続きを済ませれば自動的にもう一方の戸籍にも反映されるとは限らないため、日本側と台湾側それぞれの手続きを整理して進める必要があります。
日本で先に結婚する場合
日本国内で日本人と台湾人が婚姻届を提出する場合、日本の市区町村が届出窓口となります。外国籍の方との婚姻では、国籍や個別事情によって必要書類が異なるため、提出予定の市区町村へ事前確認することが重要です。台湾人側については、婚姻できる状態であることを示す婚姻要件具備証明書、いわゆる独身証明書が必要となる場合があります。
台北駐日経済文化代表処の2026年2月更新の案内では、台湾に戸籍がある人が日本で婚姻要件具備証明書を申請する場合、申請書、台湾の戸籍謄本、台湾旅券などが必要とされています。台湾戸籍謄本は原則として発行から3か月以内で、記事欄を省略しないものとされています。自然人憑證を利用して取得した電子版戸籍謄本も受け付けると案内されています。
日本で結婚後、台湾側にも結婚登記を行う
日本の市区町村で婚姻届が受理された後、台湾側の戸籍にも婚姻を登録する手続きがあります。台北駐日経済文化代表処の結婚登記案内では、日本の市区町村が発行する婚姻届受理証明書、その写しや中国語訳、台湾側当事者の旅券、台湾戸籍謄本などが必要書類として案内されています。
つまり、日本で婚姻届を提出しただけで台湾の戸籍情報まで自動的に変更されるわけではありません。台湾側で結婚登記を済ませることによって、台湾の戸籍上にも婚姻関係が反映されます。将来的に台湾で居住手続きや家族関係を証明する場合にも、この登録が重要になります。
台湾で先に結婚する場合は何が必要か
台湾内政部戸政司の案内では、台湾人と外国人が台湾で婚姻登記する場合、外国人側の旅券または台湾当局が発行した居留証明、結婚に関する書面、婚姻状況証明などが必要となる場合があります。外国籍配偶者については、中国語氏名をどのように使用するかを届け出る「中文姓名声明書」も必要書類として案内されています。
外国人側の婚姻状況証明については、台湾の在外機関による認証などが必要になるケースがあり、台湾戸政司は婚姻状況証明の有効期間を原発行機関の発行日から6か月以内と案内しています。書類を早く取得しすぎると実際の手続き時に有効期限の問題が生じる可能性があるため、婚姻予定日から逆算して準備することが大切です。
台湾で一緒に暮らす場合は婚姻登記の次に居留手続き
日本人が台湾人配偶者と結婚し、その後台湾で長期間生活する場合、結婚そのものとは別に居留手続きが必要になります。台湾内政部移民署が2026年1月に更新した外国人の居留申請案内では、台湾に戸籍を持つ台湾人の配偶者として居留を申請する場合、台湾の戸政事務所で婚姻登記を済ませたことを証明する資料が必要とされています。
したがって、「結婚」と「台湾で暮らすための居留資格」は別々に考える必要があります。日本で結婚したとしても、台湾へ移住する予定がある場合には、台湾側の結婚登記を整えたうえで居留に必要な手続きを確認することになります。
反対に台湾人配偶者が日本で暮らす場合
台湾人配偶者が日本人と結婚した後、日本を生活の本拠にする場合には、日本の出入国在留管理制度上の手続きが必要です。代表的な在留資格が「日本人の配偶者等」です。在留資格認定証明書交付申請などは婚姻届とは別の手続きであり、婚姻しただけで日本での長期在留資格が自動的に付与されるわけではありません。
実務で確認したい5つのポイント
第一に、日本と台湾のどちらで先に婚姻を成立させるかを決めます。第二に、婚姻要件具備証明書や戸籍謄本などの有効期間を確認します。第三に、日本で婚姻後は台湾側の結婚登記まで行うことを忘れないようにします。第四に、書類の中国語訳や認証が必要かを提出先に確認します。第五に、結婚後に日本と台湾のどちらで生活するかによって、在留資格または居留資格の手続きを別途準備します。
特に外国籍当事者が関係する婚姻届について、日本の自治体も国籍によって必要書類が異なるため事前相談を推奨しています。提出予定の市区町村と台湾側の戸政事務所、台北駐日経済文化代表処の双方に確認してから書類を取得すると、再取得や手続きのやり直しを減らすことができます。
紅い靴からのポイント
日本人男性と台湾人女性の国際結婚では、「どちらの国・地域で結婚するか」だけではなく、「結婚後どこで暮らすか」まで考えて手続きの順番を決めることが重要です。日本で先に婚姻する場合は、日本の婚姻届、台湾への結婚登記、その後の居住地に応じた在留・居留手続きという流れを整理しておくと分かりやすくなります。台湾との国際結婚は比較的情報を確認しやすい一方、戸籍の有無、過去の婚姻歴、居住地などにより必要書類が変わる場合があります。個別案件については、提出先の市区町村、台北駐日経済文化代表処、台湾の戸政事務所・移民署、または日本の出入国在留管理庁などの公的機関へ最終確認してください。
重要ポイント
- 台北駐日経済文化代表処は2026年7月2日に日本で婚姻した台湾人の台湾側結婚登記に関する案内を更新している
- 日本で婚姻届が受理されても台湾の戸籍へ自動反映されるわけではなく、台湾側の結婚登記を確認する必要がある
- 結婚後に台湾または日本で長期生活する場合、婚姻登記とは別に居留資格または在留資格の手続きが必要になる
出典
- 台北駐日経済文化代表処 結婚登記説明
- 台北駐日経済文化代表処 婚姻要件具備証明書(独身証明書)
- 台湾内政部戸政司 結婚登記
- 台湾内政部移民署 外国人の居留・延期・居留事由変更申請案内
- 新宿区 婚姻届
- 出入国在留管理庁 在留資格「日本人の配偶者等」