外国人配偶者の「在留カード+マイナンバーカード」が1枚に、2026年6月開始の特定在留カードとは
2026年6月、外国人の身分証が大きく変わった
日本で暮らす外国人に関係する大きな制度変更として、2026年6月14日から「特定在留カード」の運用が始まりました。これは在留カードとマイナンバーカードの機能を一体化したカードです。日本人男性と結婚し、在留資格「日本人の配偶者等」で日本生活を始めた中国・台湾・香港・シンガポールなど出身の配偶者にとっても関係する新制度です。
これまで中長期在留外国人は、在留資格や在留期間などを証明する在留カードと、行政手続きやマイナ保険証などに使うマイナンバーカードを別々に管理するのが一般的でした。特定在留カードを取得すると、1枚のカードが両方の性質を持つことになります。
誰でも申請できるわけではない
出入国在留管理庁によると、特定在留カードの交付を申請できるのは、住民基本台帳に記録されている中長期在留者などです。したがって、日本に住所を置き、「日本人の配偶者等」として中長期在留している外国人配偶者は、条件を満たせば対象になり得ます。
一方、短期滞在で日本を訪問している人など、中長期在留者に該当しない外国人が同じように取得できる制度ではありません。結婚したという事実だけで対象になるのではなく、日本での在留資格や住民登録の状況を確認する必要があります。
在留カードとマイナンバーカードの機能を1枚に
特定在留カードは、在留カードとしての在留資格・在留期間などの証明機能と、マイナンバーカードとしての本人確認や電子証明書などの機能を併せ持ちます。外国人配偶者が日本で生活する場合、銀行口座、携帯電話、行政手続き、医療、税・社会保障などさまざまな場面で本人確認書類を利用するため、カードを1枚にまとめられることは日常生活上の利便性向上につながります。
デジタル庁は、法改正の目的として、在留資格に関する許可などの行政事務でもマイナンバーを利用できるようにし、添付書類の省略や外国人住民の利便性向上を進めることを挙げています。
申請は2026年6月14日から開始
出入国在留管理庁によると、制度の運用開始日は2026年6月14日です。地方出入国在留管理局では翌開庁日から具体的な申請受付が行われています。また、条件を満たす場合には市区町村で転入届などを行う際に特定在留カード交付申請を行える仕組みも設けられています。
在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請など、在留カードに関する一定の手続きとあわせて特定在留カードの交付を申請できる場合もあります。どの窓口で申請するかは手続き内容によって異なるため、事前確認が必要です。
すぐに発行されるとは限らない
従来の在留カードは、在留期間更新などの手続きで即日交付されるケースがありますが、特定在留カードについて出入国在留管理庁は、申請から交付まで最短でも2週間前後を要すると案内しています。申請方法や状況によってはさらに時間がかかる可能性があります。
そのため、海外旅行、銀行手続き、転居など身分証明書が必要となる予定がある場合には、カードの交付時期を考慮して申請することが大切です。
初回の一定の申請では手数料不要
出入国在留管理庁の案内では、2026年6月14日以降の最初の一定の在留関係手続きにあわせて特定在留カードの交付を受ける場合、手数料は不要とされています。一方、後から本人の希望で交換する場合などには手数料が発生することがあります。
具体的な料金は申請理由や手続きによって異なるため、「一体化カードはすべて無料」と考えず、実際の申請時点で最新の料金表を確認してください。
在留期間の更新後には有効期限にも注意
外国人配偶者の場合、在留資格「日本人の配偶者等」には在留期間があります。在留期間更新許可を受けると、在留資格に関する情報も新しい内容になります。特定在留カードは在留カードとマイナンバーカード双方の性質を持つため、従来以上にカードの有効期限管理が重要になります。
出入国在留管理庁は、手続きの状況によって市区町村でマイナンバーカード機能に関する有効期間変更手続きが必要になるケースも案内しています。在留期間更新許可を受けたから、すべての情報や電子証明書が何もしなくても自動的に更新されるとは限りません。
住所が変わったときも届出は必要
カードが一体化されたからといって、外国人住民の住所変更の届出義務そのものがなくなるわけではありません。日本人との結婚後に新居へ転居した場合などは、市区町村への転入・転居届など、従来必要だった住居地関係の手続きを適切に行う必要があります。
国際結婚では、結婚後すぐに夫婦の新居へ引っ越すケースも多いため、婚姻届、在留資格、住民登録、健康保険、マイナンバー関係の手続きをまとめて確認しておくとスムーズです。
16歳未満の在留カードの写真ルールも変更
2026年6月14日以降に交付される新様式の在留カード等では、顔写真に関するルールも変更されました。従来は16歳未満について顔写真が表示されない取扱いでしたが、新制度では原則として1歳以上の人について顔写真が必要となっています。国際結婚後に外国籍の子どもと日本で生活する家庭では、子どもの在留手続きにも関係する変更です。
国際結婚後の新生活で確認したいこと
日本人男性と外国人女性が結婚し、日本で暮らし始める場合は、婚姻届や「日本人の配偶者等」の取得だけでなく、住民票、マイナンバー、健康保険、年金、銀行口座、携帯電話など、多くの生活手続きが必要です。特定在留カードは、その中でも本人確認書類を整理しやすくする新しい選択肢です。
ただし、申請対象、申請場所、交付までの日数、有効期限、手数料などは個人の在留状況や申請内容によって異なります。現在持っている在留カードとマイナンバーカードをすぐに交換する必要があるのかについても、個別状況を確認して判断することが大切です。
紅い靴からのポイント
2026年6月から始まった特定在留カードは、日本で生活する外国人配偶者にとって実務上重要な新制度です。特に中国・台湾・香港・シンガポールなどから日本へ移住した配偶者は、結婚後の行政手続きで在留カードとマイナンバーカードを頻繁に使用します。一体化によってカード管理が簡単になる一方、在留期間更新時の有効期限や住所変更など、必要な届出までなくなるわけではありません。日本で新生活を始める際は、在留資格、住民登録、マイナンバー、社会保険を一つの流れとして整理することをおすすめします。個別の申請可否や手続きについては、地方出入国在留管理局、市区町村、マイナンバー総合窓口などの公的機関へ最新情報を確認し、複雑な事情がある場合は行政書士などの専門家への相談も検討してください。
重要ポイント
- 2026年6月14日から、在留カードとマイナンバーカードの機能を一体化した「特定在留カード」の運用が開始された
- 住民基本台帳に記録された中長期在留者が対象で、「日本人の配偶者等」で日本に住む外国人配偶者も条件を満たせば申請対象になり得る
- カードが一体化されても、在留期間更新、住所変更、マイナンバーカード機能の有効期限変更など必要な手続きがすべて自動化されるわけではない
出典
- 出入国在留管理庁 特定在留カード交付申請について
- 出入国在留管理庁 在留カードとマイナンバーカードの一体化Q&A
- 出入国在留管理庁 新様式の在留カードの交付に係る顔写真の提出について
- デジタル庁 マイナンバー法等の一部を改正する法律案
- 出入国在留管理庁 在留資格「日本人の配偶者等」